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サステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」

サステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」

■ 開発途上国・新興国の持続的な産業開発のために──目的・経緯

UNIDO東京事務所では、開発途上国・新興国の持続的な産業開発のために、日本の優れた技術を紹介するプラットフォームである「STePP」を提供しています。「STePP」は、「サステナブル技術普及プラットフォーム」(日本語)の略です。

UNIDO東京事務所では、ウェブサイトや展示会、デレゲートプログラム等を通じて、開発途上国・新興国のサステナブルな産業発展に資する日本企業の優れた技術やノウハウを、開発途上国・新興国に広く紹介しています。

2023年4月時点で、115社から135の技術が登録されています。

■ STePPへの登録による効果

STePPに登録された技術に対しては、UNIDO東京事務所より様々な支援を提供いたします。ウェブサイトへの掲載や展示会等でのプロモーション活動を通して、国内外に広く技術を紹介することによって、開発途上国等で真剣に技術を求めている行政担当者、企業の技術者、技術コンサルタントなどから問合せが入る機会が増えます。そこから案件の具体化に向けた話し合いが始まり、技術を確認するために先方が来日されるケースもあります。

登録技術の海外展開の方法については、単独や合弁事業での海外直接投資、現地企業への特許の実施許諾(ライセンス契約)など様々です。将来の投資を見据えつつ初期段階としては代理店契約を締結して製品・システムの輸出から始まる場合もあります。UNIDOでは当事者の事情により最適な方法を柔軟に選んでいただくことが成功につながると考えています。

■ 対象分野

A) エネルギー関連技術

  • 再生可能エネルギー(例:太陽光発電、小水力発電、風力発電)
  • 省/蓄エネルギー(例:コージェネレーション、蓄電池)
  • 未利用資源の活用(例:高効率・低排出の化石燃料利用技術)

B) 環境関連技術

  • 環境汚染対策(例:水・土壌・大気の汚染防止)
  • 廃棄物処理(例:産業・一般廃棄物の処理)
  • 循環型社会構築(例:3R(リユース・リデュース・リサイクル))

C) アグリビジネス関連技術

  • 食品・飲料バリューチェーン(例:食品・飲料の加工、品質管理) ※食品・飲料そのものを除く
  • 生産性の向上(例:土壌改良剤)
  • 気候変動への適応(例:ドロップ灌漑システム)
  • 水資源の確保(例:淡水貯蔵システム、海水淡水化)

D) 保健衛生関連技術  ※医薬品、人体への侵襲性の高い医療機器、民間療法等を除く

  • 公衆衛生(例:上水道、トイレ、感染症予防)
  • 健診及び診断(例:途上国の遠隔地で必要とされる簡易的な診断機器)

    E) 災害対策関連技術

    • 警報システム(例:地震・落雷・洪水等に関する警報装置)
    • 災害予防(例:斜面崩落防止、制震装置、避雷器) ※耐震性住宅を除く
    • 災害応急対策(例:災害後に応急的に使用される居住関連設備、救助用機材)

      ※飲料水製造や衛生資材については、D)保健衛生関連技術に分類する

    ■ UNIDOの支援スキーム/プロモーション活動

    UNIDO東京事務所では、STePPに登録された技術を、様々な機会を利用し、広く国内外に紹介する支援を行っています。

    UNIDO東京事務所のウェブサイトへ掲載

    UNIDO東京事務所のウェブサイトは先進国、新興国、開発途上国を問わず世界中からアクセスされています。アクセス数は、先進国・新興国からが多いものの、東南アジア、南米、中東、アフリカといった幅広い地域の開発途上国からのアクセスもあり、これまでにアクセスされた国の数は140カ国以上に亘ります。UNIDOの開発途上国での認知度の高さを示すとともに、本取組が、開発途上国からも注目されていることを示しています。

    アクセス数の多い開発途上国・新興国の例:インド、中国、ブラジル、バングラディッシュ、フィリピン、インドネシア、イラン、トルコ、ベトナム、シンガポール、パキスタン、タイ、ベネズエラ、ロシア、マレーシア、カンボジア、UAE、サウジアラビア、スリランカ、ウガンダ、ヨルダン、南ア、メキシコ、ペルー、オマーン、ナイジェリア など

    UNIDOのウェブサイトは、開発途上国側の投資促進機関など日本からの投資・技術移転に関心を持つ方々が多く閲覧しています。STePPに登録することによってそうした方々に対して、直接技術情報を提供することが可能です。

    展示会等でのプロモーション

    国内で開催される技術展示会等にUNIDO東京事務所として出展し、ワークショップやブース展示を通じてSTePPに登録された技術の情報発信を行っています。

    2016年6月 スマートコミュニティJapan2016 UNIDO東京事務所のブースにおいて、技術紹介パネルおよび技術実物の展示、技術紹介動画の放映、登録企業に対してプレゼンテーション機会を提供
    2016年10 スマートエンジニアリングTokyo2016 UNIDO東京事務所のブースにおいて、技術紹介パネルの展示、技術紹介動画の放映
    2017年7 日本アフリカ ビジネスフォーラム 技術紹介パネルおよび技術実物の展示
    2018年4月 UNIDOセミナー UNIDO事務局長の来日時に開催されたセミナーにおいて、掲載企業の数社がUNIDOとの技術移転に関する協力活動の事例発表
    2019年8月 TICAD7 ビジネスEXPO「ジャパン・フェア」
    (日本貿易振興機構主催)

    技術紹介パネルおよび技術実物の展示、技術紹介動画の放映(12社)

    2020年7月 プラントショーOSAKA 2020

    登録企業に対して、セミナー会場にてプレゼンテーションの機会を提供(1社)

    2020年12月 オンライン展示会

    オンラインブースにて、技術資料の展示、技術紹介動画の放映(23社)

    2021年10月 オンライン展示会

    オンラインブースにて、技術資料の展示、技術紹介動画の放映(25社)

    2021年11月 INCHEM TOKYO 2021

    登録企業に対して、セミナー会場にてプレゼンテーションの機会を提供(3社)

    技術紹介動画の制作

    登録技術を英語で分かりやすく紹介する動画の制作に順次取り組んでいます。制作された動画は、UNIDO東京事務所のウェブサイト並びにYouTube上で公開し、また、UNIDOが関係する各種イベント・セミナーにて放映しております。動画は貴社でのプロモーションにご使用いただけます。これまでに制作された動画はこちらからご覧いただけます。動画につきましては、中小企業(中小企業基本法第2条第1項の定義に基づく)の登録技術に関しては、原則、UNIDO東京事務所の負担により作成しております。また、既存の動画をご活用頂くことも可能です。
    ビデオライブラリー
       

    テクノロジー・デー(技術展示会)の開催

    テクノロジー・デーは、掲載技術を外国政府機関や外国大使館等の関係者等へ直接アピールする場として活用していただけます。技術の性質やメリットを分かりやすく伝えるために、可能な限り技術の実物・実機(デモ機・サンプル等も可)を展示していただいております。

    2017年3月  テクノロジー・デー  大使館関係者等約50名来場、登録技術企業12社出展 
    2017年11 2回テクノロジー・デー 大使館関係者等約50名来場、登録技術企業12社出展
    2018年11月 第3回テクノロジー・デー 大使館関係者等約50名来場、登録技術企業13社出展

    デレゲートプログラムとの連携

    UNIDO東京事務所では開発途上国の政府・政府関連機関の投資促進専門官(外資系企業による自国への進出、技術移転を促進する担当者)を招聘するデレゲートプログラムを実施しています。来日した投資促進専門官を通じて掲載技術を開発途上国に紹介したり、逆に開発途上国の情報を掲載企業が収集したりすることが可能です。

    UNIDOのグローバルネットワークの活用

    UNIDOは世界50ヶ国以上に現地拠点を構えており、そのネットワークを活用した掲載技術のプロモーションも可能です。

    2012年6

     国連持続可能な開発会議(リオ+20
    (ブラジル)

    掲載技術に関するプロモーションビデオ(DVD)の作成・UNIDOブースにて放映、技術集の作成・配布 
    2016年11 UNIDO設立50周年記念イベント
    (ウィーン本部)
    掲載技術を紹介する冊子を作成・配布
    2022年3月 ウェビナー「UNIDO-Japan Cooperation:新型コロナウイルスの影響を緩和する日本の技術移転」
    (ウィーン本部)
    開発途上国の感染症予防に向けたSTePP技術の実証・移転による海外日本企業支援事業」を実施した企業について、事業概要と技術を紹介する冊子を作成・配布