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イベントレポート:オンラインセミナー「ガーナ投資セミナー:ビジネスチャンスとSDG投資機会」を開催

イベントレポート:オンラインセミナー「ガーナ投資セミナー:ビジネスチャンスとSDG投資機会」を開催

UNIDO東京事務所は713日(火)に、ガーナ投資促進センター(GIPC)とUNDPと共催で「ガーナ投資セミナー:ビジネスチャンスとSDG投資機会」と題したオンラインセミナーを開催しました。

※各登壇者の登壇資料は以下(登壇資料)をクリックしてください

 

本セミナーでは、安永裕幸UNIDO東京事務所長の開会挨拶に続き、姫野勉駐ガーナ日本大使、フランク・オチェレ駐日ガーナ大使が歓迎挨拶を述べ、政治や治安が安定しており基本的なインフラが整っているガーナの投資先としての魅力を紹介しました。

姫野大使は冒頭、魅力的な投資先であるガーナへの日本企業による投資・ビジネスを促す本セミナーは大変重要な会合であると述べられ、UNDPによって発行されたSDG Investor Mapを活用するよう参加者に呼びかけました。また日本企業支援の窓口として現地の大使館、JETRO、JICAにいつでも相談をしてほしいと日本政府による支援体制を強調しました。

姫野大使は冒頭、魅力的な投資先であるガーナへの日本企業による投資・ビジネスを促す本セミナーは大変重要な会合であると述べられ、UNDPによって発行されたSDG Investor Mapを活用するよう参加者に呼びかけました。また日本企業の窓口として現地の大使館、JETROJICAにいつでも相談をしてほしいと日本政府による支援体制を強調しました。

第一部のガーナ公的機関による講演では、アンジェラ・ルシギUNDPガーナ事務所常駐代表は、ガーナで発行された「 SDG Investor Map日本語版)」を通じて優先的な投資機会を特定し、国内外の投資家に知見・データ・インパクト測定ツールを提供することで、SDGsの達成を加速させていく取り組みを紹介しました。同SDG Investor Mapはガーナ国家中期開発計画に定められた国の開発優先課題と整合し、乗数効果が期待できる分野として農業・インフラ・ヘルスケア・ICT・製造業を特定しており、SDGインパクトだけでなく、ビジネスとして収益を上げる可能性がある細分化された領域と市場の状況に関する実用的な情報を掲載していると説明し、特定のサブセクターと投資可能性領域について触れました。(登壇資料

 GIPCのヨフィ・グラントCEOは、ガーナの投資先の魅力として3つの”O”Opportunity, Openness, Optimism)を紹介しました。豊富な資源と工業化への転換点にある同国の投資機会(Opportunity)に加え、政治的安定性や投資家保護規制を通じて市場が国内外の投資家へ開かれていること(Openness)、そして、同国の近年の急速な経済成長とコロナ禍での民間セクターへの充実した支援プログラムなどを背景に今後も堅実な経済発展を見込んでいること(Optimism)を述べました。(登壇資料

第二部では、ガーナで活動を行う公共財団法人味の素ファンデーションとDegas株式会社に加え、IT・農業・製造分野のガーナ企業からも、各社の取り組みが紹介されました。

KKO Plus Foundation公益財団法人味の素ファンデーション
カントリーディレクターの高橋裕典氏から、同団体の「栄養改善プロジェクト」が紹介されました。サブサハラ地域では、乳児期の栄養失調が身体と脳の成長を抑制するという問題がありました。そこで同団体では、ガーナの大学・企業や国際機関とも連携しながら、離乳食の栄養バランスを整える栄養補助パウダー「KOKO Plus」を開発。各地で栄養改善効果が検証されると同時に、持続的な課題解決のためにソーシャルビジネスモデルの開発が進められています。高橋氏は、Universal “Nutrition” and Health Coverageの達成に向け、同団体の取り組みを更に強化させていきたいと述べました(登壇資料)。

Degas株式会社
CEOの牧浦土雅氏から、同社の農業ビジネスが紹介されました。過去30年で世界全体の貧困人口は急速に減少していますが、サブサハラ地域では増加しています。特にガーナでは人口の70%は農民で低生産性が課題でした。同社は、個人農家のネットワークをつくり、高品質の種・肥料・知識技術を提供し生産性を上げるとともに、収穫した農作物と購買者をつなげるビジネスモデルを開発。牧浦氏は今後の目標として、デジタル技術で集めたデータを活用し、更なるコスト削減や生産性向上を行い、農業を通じて社会インフラを構築していきたいと述べました(登壇資料)。

IT Consortium
常務取締役のロミオ・ブジェイ氏から、ガーナにおけるデジタル化の機会が紹介されました。同社は、フィンテックプロバイダーとして、デジタルインフラを提供することにより、ローカル及びグローバルな経済活動をつなぐ基礎をつくります。ロミオ氏は、ガーナのデジタル分野における高い市場機会を紹介した上で、日本企業との協力により、モバイルデバイス・PC・携帯電話等を用いて、金融向けサービスやスタートアップが活用しやすいサービスに加え、デジタルスキル養成機関などの設立に取り組んでいきたいと述べました。(登壇資料

Esoko
CEOのダニエル・アサレ・チェイ氏が、同社が取り組むデジタル技術による農業改革を紹介しました。ガーナの人口の約7割を占める農民は、バリューチェーンの未発達、低生産性や農耕地が十分に活用されていないといった課題に直面しています。ダニエル氏は、様々なIT技術によりサプライチェーンを見直すことで、より効率的な産業育成を行い、農業バリューチェーンの価値を高めることができると述べました。特に、日本企業の農業や金融業における情報技術と連携することで、信用供与・付加価値創造・コールドチェーンや運輸などの分野で、ガーナの農業を大きく変えていくことができるとアピールしました。(登壇資料

Glofert Limited
CEOのフォスター・マウリ・ベンソン氏から、同社の肥料製造ビジネスが紹介されました。ガーナを含むアフリカでは、今後急速な都市化や人口増加により食料安全保障への危機が高まるため、アグリビジネス分野への投資が強く求められています。同社の肥料は、個別の農作物や土地などの条件に応じ最適な肥料をテーラーメイドで製造されます。フォスター氏は、ガーナの農業バリューチェーンの大きな市場において、日本企業との連携を通じた投資による農作物生産量向上、及び農業生産性改善への意欲を述べました。

 続く第三部のパネルディスカッションでは、GIPC主席投資担当官のエマニュエル・フォーソン氏がモデレーターを務め、ガーナにおける日本企業のビジネス・投資促進に関する成功例や課題について議論が交わされました。

初めに、ガーナ進出時の経験に関して、KOKO Plus Foundationの高橋氏は、現地において同じような関心を有するパートナーを探すことが最大の課題であったことを振り返り、国際機関や援助機関の支援などを通じて、信頼できる現地企業・団体とのパートナーシップを築くことの重要性を述べました。Degas株式会社の牧浦氏は、同社がガーナへの進出を決めた理由として、相対的な政治的安定性や平和度指数の高さを挙げたうえで、20216月には金融当局の国際的組織「金融活動作業部会」においてマネーロンダリング対策などへのガーナの取り組みが評価され、監視強化対象の「グレーリスト」から除外されたことに触れ、魅力的な投資先として国外投資家からガーナへの注目がまさに集まっていることを強調しました。

次に、ガーナの農業分野への新型コロナウイルスの影響について議論が交わされました。セクター全体へ大きな影響が出ており、政府や国際機関の支援が行われているものの、今後も拡充する必要性が述べられました。ガーナ民間企業連盟PEF)のナナ・オセイ・ボンスCEOは、政府との対話を通じ民間企業がビジネス環境をし易い環境・規制を構築する同連盟の取り組みを紹介した上で、コロナ禍では多くの企業が遠隔での活動を余儀なくされており、海外企業は現地企業と友好なパートナーシップを築きながら、ビジネスをスケールアップさせることの重要性を強調しました。

ガーナ財務省上席経済担当官&アジアユニット長のルイス・アモ氏は、コロナ禍では民間セクターからの歳入が減ったことや、医療部門への対応が優先されたため、政府のインフラに対する投資は限定的だったとしながらも、同政府がポストコロナに向けて描くGhana COVID-19 Alleviation Revitalization Enterprise Support(CARES)プログラムについて紹介しました。CARESはポストコロナにおける中期的な経済再建を目指し、3年半にかけて1750万ドル(約19億円)相当の資金を国内に流入させるもので、資金の70%を民間部門からの流入に頼る一方、30%は政府の拠出によるとしています。最後にアモ氏は、本プログラムはインフラ開発及び官民連携の促進のみならず、日本企業にとってもよい投資の機会であると述べました。

最後に、SDG Investor Mapについて意見が交わされ、ナナ氏は、ガーナのコンピテンシーとキャパシティ(Competency and Capacity)を特定化し、投資機会を見つけるのに最適なプラットフォームであると述べました。また、ルイス氏は、SDG Investor Mapは、国外の人に現地の有益な情報を簡単に届けられるとし、政府が支援強化を狙う分野とも合致していることが強調されました。

閉会挨拶では、GIPCのアフア・ンテゥリワ・ティチ・ミルズ企業部長より、ガーナ政府・民間企業・国際機関が一丸となって、ガーナへの投資促進へ取り組んでいることを踏まえ、GIPCもガーナへの進出を考える日本企業への様々な支援を提供したいと述べました。

 

概要

日 時: 2021年713日(火)17:3520:05(日本時間)
場 所: オンライン
主 催: GIPCUNDPUNIDO東京事務所
参加費: 無料
言 語: 日・英同時通訳
司 会: 小野崎 慈慶(UNIDO東京事務所)

プログラム

日本時間
17:35-
 開会挨拶
      UNIDO東京事務所 所長 安永 裕幸
17:40- 歓迎挨拶
      在ガーナ日本国大使館 姫野勉 特命全権大使
17:45- 歓迎挨拶
      駐日ガーナ共和国大使館 特命全権大使 フランク・オチェレ閣下
17:50- 第一部:公的機関による講演
17:50- ガーナのビジネスチャンスと法規制について
      ガーナ投資促進センター(GIPC) CEO ヨフィ・グラント
18:05- ガーナのSDG 投資機会について
      UNDPガーナ事務所常駐代表 アンジェラ・ルシギ
18:20- 質疑応答
18:35- 休憩

18:40- 第二部:民間企業による講演
18:40-  KOKO Plus Foundation(公益財団法人味の素ファンデーション) カントリーディレクター 高橋 裕典氏
18:47-  Degas株式会社 CEO 牧浦 土雅氏
18:54-  IT Consortium(フィンテック) 常務取締役 ロミオ・ブジェイ氏
19:01-  Esoko(IT×農業) CEO ダニエル・アサレ・チェイ
19:08-  Glofert Limited(肥料製造) CEO フォスター・マウリ・ベンソン氏

19:15- 質疑応答

19:30- 第三部:パネルディスカッション
     モデレーター:GIPC 主席投資担当官 エマニュエル・フォーソン
     パネリスト
      KOKO Plus Foundation(公益財団法人味の素ファンデーション) カントリーディレクター 高橋 裕典氏
      Degas株式会社 CEO 牧浦 土雅氏
      ガーナ財務省 上席経済担当官&アジアユニット長 ルイス・アモ氏
      ガーナ民間企業連盟 CEO ナナ・オセイ・ボンス氏

20:00 閉会挨拶
     GIPC 企業部 部長 アフア・ンテゥリワ・ティチ・ミルズ

登壇者・パネリスト

安永裕幸(UNIDO東京事務所 所長)
86年、東大院工学系研究科修士課程修了。同年通商産業省(現経済産業省)入省。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)企画調整部総括課長、経産省産業技術環境局研究開発課長、同原子力安全・保安院ガス安全課長、資源エネルギー庁資源・燃料部鉱物資源課長を歴任。13年大臣官房審議官、15年産業技術総合研究所理事・企画本部長などを経て、17年から現職。06年博士(工学)。
姫野勉 特命全権大使(在ガーナ日本国大使館)
80年外務省入省後、財務省大臣官房参事官(08-10年)、経済協力開発機構代表部公使(10-14年)、ボストン総領事(14-16年)などを歴任。輸出入・港湾処理センターの執行役員(16-17年)を経て、17年より駐ガーナ日本国特命全権大使(駐シエラレオネ特命全権大使、駐リベリア特命全権大使兼轄)。大阪大学法学部卒業、英オックスフォード大学より政治学と経済学分野のSpecial Diplomaを取得。

フランク・オチェレ閣下(駐日ガーナ共和国大使館 特命全権大使)
18年6月より駐日ガーナ大使を務める。48年にガーナのクマシで生まれ、76年に英国にあるシティ・オブ・ロンドン・カレッジ(経済学)を卒業。ファミリー企業である、現在のOyoko Europarts有限会社に入社後、総括責任者などを経て99年に取締役社長に就任。現在特に情熱を注いでいるのは、ガーナで生産される付加価値製品であり、日本から学べることが多くあると考えている。

ヨフィ・グラント(ガーナ投資促進センター(GIPC) CEO)
30年以上に渡る投資銀行及び金融分野での卓越したキャリアと経験を有し、ガーナ大統領府傘下にあるGIPCの最高経営責任者を務める。特に、金融市場と投資分野において著名で、数々の民間企業を共同起業した他、金融政策アドバイザーとして中核的役割を担う。アフリカ大陸では、サブサハラ地域の最大級農業ファンドAAF SME Fund LLC(中小企業向けアフリカ農業基金)の発展に貢献するなど、株式・債券取引のアドバイザリー業務を数多く牽引した。

アンジェラ・ルシギ(UNDPガーナ事務所常駐代表)
国家開発戦略策定、社会経済分析、パートナーシップ構築、包括的で持続可能な開発などの分野において20年以上の経験を有する。前職では国連開発計画(UNDP)本部アフリカ局にて戦略アドバイザーを務める。これまでに、国連環境計画(UNEP)リージョナル・プログラム・アドバイザー、UNDPナイジェリア常駐代表補佐(戦略・政策担当)も歴任。

高橋 裕典氏(Koko Plus Foundation カントリーディレクター)
味の素株式会社での研究所、工場、事業部での勤務を経て、2018年より公益財団法人味の素ファンデーションに出向。同財団法人にて、美味しく栄養価の高い安価な地元産の食品生産システムのモデル構築(ガーナ栄養改善プロジェクト:GNIP)を行っている。栄養価の高いサプリメント「KOKO Plus」の販売を通じ、栄養不良(発育不全)を解決するソーシャルビジネスモデルの構築を行っている。

牧浦 土雅氏ー(Degas株式会社 Founder & CEO)

”人々の生活を劇的に変える”というビジョンのもと、西アフリカ・ガーナを拠点に農作物の生産支援とデジタル化のサービスを提供。第28回国家戦略特別区域諮問会議に出席し、サンドボックス特区創設を首相・関係閣僚に提言。2020年7月、ガーナ・アクフォアド大統領から感謝状を受領。Wedge『平成から令和へ 新時代に挑む30人』等に選出。

ロミオ・ブジェイ氏(IT Consortium 常務取締役)
コンサルティング・保険・テクノロジーの分野にて、20年以上にわたり経営幹部として従事し、様々な企業のデジタルトランスフォーメーションを推進する。15年よりアフリカ最大級のフィンテック企業であるIT Consortiumにて常務取締役に就任。Technology Chamber of Ghana運営協議会議長。上海科学技術大学にてコンピュータサイエンス・アプリケーション修士号を取得。

ダニエル・アサレ・チェイ氏(Esoko CEO)
農業経済学者・技術者・地理情報科学者であり起業家。17年以上にわたり開発援助機関や民間企業にて、先端技術を利用した食料安全保障などの開発事業に従事。現在はアフリカ最大級のアグリテックであるESOKO社のCEOとして、農村部のサプライチェーンのデジタル化によって、農村部でもIT・金融サービスが受けられる仕組みづくりに取り組む。独ボン大学にて農業経済学博士号取得。

フォスター・マウリ・ベンソン氏(Glofert Limited CEO)
フォスター氏は公認会計士(FCCA、ICAG)であり、18年以上にわたり鉱業に従事。ニューモント・ガーナ・ゴールドやBCM Miningなど多国籍企業での経験を有する。現在はガーナ最大規模の肥料製造会社であるGlofertにてCEOを務める。ガーナ大学よりMBA、ロンドン大学より会計学の学士・修士号を取得。

エマニュエル・フォーソン(ガーナ投資促進センター(GIPC)主席投資担当官)
GIPCにて、約15年にわたり投資促進担当者として従事。事業開発、投資家のアフターケア、マーケティング等の多様な領域での経験を経て、現在は主席投資担当官として、企業部でミッション受け入れチームのリーダーを務める。
ガーナのビジネス関連の法律や規制に精通。英国コベントリー大学にてサプライチェーンマネジメント修士を取得。

Nana Osei-Bonsu

ナナ・オセイ・ボンス氏(ガーナ民間企業連盟 CEO
ニューヨーク連邦準備銀行、ニューヨーク州銀行局、連邦住宅貸付銀行にて30年以上幅広い銀行業務に携わった後、JPモルガン・チェース投資銀行部門に入社。その後、ガーナにて上級大臣室経済管理チーム技術アシスタント、及び経済計画担当大臣技術顧問を務め、2011年からはガーナ民間企業連盟の最高経営責任者を務める。フォーダム大学国際金融学修士。

アフア・ンテゥリワ・ティチ・ミルズ(ガーナ投資促進センター(GIPC)企業部 部長)
2008年よりGIPCにて、マーケティングやイベントマネジメントを担当し、数々の投資促進ミッションを牽引。ガーナへの海外直接投資を増やすために、関連省庁や民間企業と連携しビジネスとパートナーシップの促進に取り組む。前職では、インドのPerfect Relations Pvt社にて、国際的企業・団体のブランドプロモーションを支援。インドのジャミア・ハムダード大学にて金融・マーケティング経営学修士号取得。

お問い合わせ

UNIDO東京事務所(担当:小野﨑)
E-mail: itpo.tokyo@unido.org
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