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イベントレポート:包括的かつ持続可能な産業開発(ISID)のためのパートナーシップ:オンラインイベントシリーズ「UNIDO-Japan Cooperation ~日本とUNIDOの協力の新たな課題と可能性」を開催

イベントレポート:包括的かつ持続可能な産業開発(ISID)のためのパートナーシップ:オンラインイベントシリーズ「UNIDO-Japan Cooperation ~日本とUNIDOの協力の新たな課題と可能性」を開催

国連工業開発機関(UNIDO)と在ウィーン国際機関日本政府代表部は2021629日(火)、新型コロナウイルスのパンデミック下における、包括的かつ持続可能な産業開発(ISID)の促進について議論するため、オンラインイベントシリーズ「ISIDのためのパートナーシップ:UNIDO-Japan Cooperation ~日本とUNIDOの協力の新たな課題と可能性」の開会式典を行いました。

開会挨拶で、UNIDOのリー・ヨン事務局長は「ISIDは開発協力におけるパートナーシップによって、推進されるべきもの。これは以前から知られていたが、パンデミックによる未曾有の社会経済危機によって、より浮き彫りになった。『持続可能な開発のための2030アジェンダ』は単独では達成できない。危機からより強く直るためには、連帯感が必要である。人々を貧困や疎外感から解放するためにも、産業のためのより環境に優しい解決策に向け、必要な変化を加速させなければならない」と強調しました。

続いて、在ウィーン国際機関日本政府代表部の引原毅・特命全権大使は、「今回の危機は、世界の供給網(サプライチェーン)と投資の流れを混乱させた。これは、私たちの開発のメカニズムに対する最も厳しいテストである。私たちは、積極的な投資と技術移転による産業の回復力で対処しなければならない。そして、この課題において、UNIDOは大きな役割を担っている。UNIDOは、途上国がパンデミックと戦い、SDGs達成に向けてより良い復興を遂げるための支援に取り組んでいる」と述べました。

開会式典後には、「グリーンリカバリーにおける包括的で持続可能な産業開発のための循環型経済とカーボンニュートラルの促進」をテーマにしたオンラインイベントが行われました。本イベントは、循環型経済とカーボンニュートラルな産業の関連性をより深く理解してもらうことが目的で、国際機関や各国政府、ビジネス・金融セクターから5人のスピーカーが登壇しました。

UNIDOのステファン・シカーズ環境・エネルギー局長は「循環型経済は、気候変動を含む多くの持続可能な開発目標に取り組むために必要。UNIDOはすでに加盟国と連携して様々な取り組みを行っており、包括的で回復力のある低炭素経済に向け、グローバルコミュニティはますます主流になっていく」と述べました。環境省の小野洋・地球環境局長は、「環境省は『Platform for Redesign 2020』を通じ、環境保全と経済成長の好循環を生み出す脱炭素社会、循環型経済、分散型社会への移行を推進している。政策措置や支援などを通じ、民間企業の関与を促していく」と述べました。

また、「循環型社会の原則、特に再利用、再製造、リサイクルを建築などの主要セクターに適用することで、温室効果ガスの排出量を削減する大きな可能性がある」と指摘したのは、気候技術センター・ネットワーク(CTCN)のローズ・ムウェバザ事務局長。CTCNは、気候変動対策技術の開発、移転、展開、普及に向けた各国の行動を促進するため、技術支援や能力強化、知識共有、ネットワーク構築のサポートなどを行っています。

日本化学工業協会の牧野英顯・常務理事は、「限られた資源、人口の増加、プラスチックの散乱、気候変動の中で、プラスチックの効率的かつ循環的な利用は急務。化学産業は、イノベーションを促進する中心的な役割を果たし、気候変動の緩和に貢献する」 と強調。SMBC日興証券のチバース陽子SDGsファイナンス室長は、グリーン、ソーシャル、サステイナビリティ、サステイナビリティ連動債の市場が現在非常に活発で、2020年には4600億ドルの発行が見込まれ、累積発行額は1兆ドルを超えると紹介。世界が新型コロナウイルス感染症の危機から立ち直ることに意欲的であることを考慮すると、2021年は資源の多様化と拡大がさらに期待されます。

このように、本イベントはUNIDOのタレク・エムテイラエネルギー部長が司会を務め、さまざまな角度からの意見や知識の交換が行われました。議論では、循環型経済やカーボンニュートラルな産業に取り組むことの意義や、これらをパンデミックからの環境に配慮した復興の中で、またSDGsを達成するためにどのように活用できるのかについて検討されました。

 

 

 

 

 

 

概要

日時:2021年6月29日(火)
時間:UNIDO-Japan Cooperation Week開会式: 17:00~17:15(日本時間)/10:00~10:15 (中央ヨーロッパ時間)
   ウェビナー:17:15~19:00(日本時間)/10:15~12:00(中央ヨーロッパ時間)

<プログラム概要>(敬称略)

「包括的で持続可能な産業開発のためのパートナーシップ:日本とUNIDOの協力の新たな課題と可能性」に向けたハイレベル開会式典

・UNIDO事務局長 リー・ヨン
在ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使 引原毅

ウェビナー:  グリーンリカバリーにおける包括的で持続可能な産業開発のための循環型経済とカーボンニュートラルの促進

パネリスト
UNIDO環境・エネルギー局長 ステファン・シカーズ
・環境省地球環境局長 小野洋
・気候技術センター・ネットワーク(CTCN)事務局長 ローズ・ムウェバザ
・日本化学工業協会 常務理事 牧野 英顯
SMBC日興証券SDGsファイナンス室長 チバース陽子

モデレーター
UNIDOエネルギー部長 タレク・エムテイラ