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在京大使館プログラム:「エコプロ2017」展

在京大使館プログラム:「エコプロ2017」展

環境・エネルギー問題を中心に社会課題解決に貢献するイベント「エコプロ2017〜環境とエネルギーの未来展」が、2017年12月7日~9日の3日間にわたり、東京ビッグサイトで開催。UNIDO東京事務所は、12の在京大使館から代表者15名を同イベントへ案内し、開発途上国および新興国と日本をビジネスで結ぶ機会として8社の出展ブースを訪問しました。

子どもから商談を行うビジネスパーソンまで多くの来場者で賑わう会場の中に入った外交団は、まずは日本国内における鉄事業の最大手新日鐡住金のブースを訪問。「地球の重量の1/3は鉄である事をご存知でしたか?」と代表団に投げかけた同社環境部の林永幸氏は、「鉄は、資源が豊富で価格が安く、実は軽くてリサイクルもしやすく、何度でも何にでも生まれ変わる事ができるため、実は環境面でもやさしい素材です」と解説。国内では、同社の鉄は主に車やインフラに主に使われていると加えました。

次に訪れたのは、三菱電機のブース。「当社は、 使い終わった家電をリサイクルできる技術を持っています」と、同社環境推進本部の長谷川愛氏。同ブースでは、インドネシアの小さな漁村で新鮮な魚を流通させるために試作した「オートバイ搭載用冷蔵庫 第4世代プロトタイプ」に、外交団の熱い視線が集まりました。こうした取り組みに、「食の安全にも通じる。世界中でこうした技術や製品にアクセスが可能となる事を期待する」といった声が聞かれました。

パナソニックのブースでは、環境企画課の石橋健作氏が「より良いくらし」とサステナビリティとの両立に向け、使うエネルギーの削減とそれを超えるエネルギーの創出・活用をテーマとしたブース内を案内。33年前・1984年と現在の家電消費量を重さで比較するコーナーなどを経て、次に33年後の2050年を映像で紹介。省エネ、創エネ、畜エネをもってエネルギーマネジメントを行う同社の環境技術を紹介しました。

花王のブースでは、サステナビリティ推進部の井上紀子氏が、日常的に製品を使う消費者と将来使う事になる今の子ども達を対象に、「無理なく続けることができるエコ」をテーマとしていると紹介。また、サステナビリティに貢献する取り組みとして、使い終えたものを再び資源に戻す「リサイクル」と、新たに価値を創造する「クリエーション」を合わせた「リサイクリエーション」の活動については、回収した洗剤やシャンプーなどの使用済みの詰め替えパックから再生樹脂に加工し「ブロック」をつくった活動を通した被災地への貢献について解説されました。

「グローバルロゴができました」と外交団を味の素のブースで歓迎したのは、同社グローバルコミュニケーション部の太田史生氏。持続可能な開発目標SDGsの目標ロゴが掲示されたブースで、持続可能な原料調達、資源化と3R、持続的な水利用、CO2半減、フードロス半減といった、同社の取り組みが紹介されました。

セイコーエプソンのブースでは、生産企画本部の袖山和彦氏が、通常リサイクルのために必要とされる大量の水を使うことなく使用済み紙を粉砕してリサイクルペーパーを作り出す技術や、印刷プロセスに熱を使わないプリンター、カートリッジを必要としない大容量インクタンクを使用した家庭用プリンターなどを紹介。「15年使ったプリンターの買い替え時期がきたようだ」と話す代表団とも談笑していました。

積水化学工業のブースでは、経営戦略部の三浦仁美氏、RDセンターの辻村翔氏、環境・ライフラインカンパニー総合研究所の吉田博次氏、中間膜事業部のキム・ジョン・ギョン氏が解説。室内光でも発電が可能なフィルム型色素増感太陽電池、コンクリート構造物や金属柱など、インフラの長寿命化を図る樹脂製品、ガラスへのディスプレイが可能となる中間膜入り合わせガラスなどが紹介される中、外交団はしきりに質問を投げかけ、自国の事情と照らし合わせるように展示サンプルに触れていました。

最後となったビジネスマチングEXPOのブースでは、産業環境管理協会の壁谷武久氏が、北は秋田から南は沖縄まで、61の企業と団体の出展を紹介しました。すでにUNIDO東京事務所の環境技術データベースにも登録されているワイズグローバルビジョンの淡水化装置も展示されており、外交団はその特徴や値段など、具体的な情報を収集していました。

「興味深いものを、数多く見ることができた」とツアー終了後に語ったのは、マラウイ共和国のベントレー・ナマサス副大使/公使。「特に地方で役立つと思われる技術が多く見られた。輸入に頼るとコストがかかるため、自国で生産することができるようになる事が望ましい。日本は技術を独り占めするのではなく、共有する姿勢が素晴らしい」と、日本への期待を膨らせていました。

参加大使館:

イラク共和国、インドネシア共和国、ウルグアイ東方共和国、エチオピア連邦民主共和国、ザンビア共和国、ジンバブエ共和国、タジキスタン共和国、ベネズエラ・ボリバル共和国、ペルー共和国、マラウイ共和国、レソト王国、東ティモール民主共和国

訪問ブース:

新日鐡住金、三菱電機、 パナソニック、花王、味の素グループ、 セイコーエプソン、積水化学工業、ビジネスマチングEXPO