このページをシェアする

日本政府とUNIDO、ナイジェリアにおける持続可能なプラスチックのバリューチェーン促進計画に関する協定に調印

日本政府とUNIDO、ナイジェリアにおける持続可能なプラスチックのバリューチェーン促進計画に関する協定に調印

2022.02.22

[アブジャ、2022210]– 国連工業開発機関(UNIDO)は、ナイジェリア連邦環境省、在ナイジェリア日本大使館と共に「循環型経済の実践を通した持続可能なプラスチックのバリューチェーン促進計画(31,900万円(約280万米ドル)」実施に関する書簡の交換を行ないました。ナイジェリアで循環型経済の実践を通した持続可能なプラスチックのバリューチェーン構築を促進することにより、包括的で持続可能な産業の開発に貢献します。

 ナイジェリアのプラスチック産業は、何千もの人々の雇用し、ナイジェリア経済に非常に重要な産業ですが、プラスチックの不法投棄やプラスチック廃棄物の管理不足は、人々の健康と環境に大きな影響をもたらしています。プラスチックごみが道に散らばり、農村部や都市部の排水路を詰まらせ、洪水を発生させ、土壌を汚染し、作物の収穫量に影響を与え、海や他の水域の汚染を引き起こしています。また、プラスチックごみが不適切に燃やされると、ダイオキシンなどの有害物質が放出されます。

2019年に日本が議長を務めたG20では、2050年までに海洋プラスチックごみによる汚染をゼロにすることを目的とした「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。ナイジェリアで新たに合意されたプロジェクトは、これを支援するために日本が立ち上げた「マリーン・イニシアチブ」の一環であり、世界規模で海洋プラスチックごみと戦うための効果的な行動指針を推進します。

ナイジェリア政府は、これまでもプラスチックやその他の廃棄物管理の課題に積極的に取り組んできました。 UNIDOの支援を受けて、2020年には固形廃棄物管理法(2020)とプラスチックライフサイクル管理法(2020)の2つの国家政策が策定されました。 2021年には、プラスチック汚染に対する多国間イニシアチブである世界経済フォーラムのグローバル・プラスチック・アクションパートナーシップ(World Economic Forum’s Global Plastic Action Partnership /以下、GPAP)に参加し、また、ナイジェリア・サーキュラー・エコノミー・ワーキンググループ(Nigeria Circular Economy Working Group)を設立するなどしています。

本プロジェクトでは、UNIDOが日本政府の資金で2021年に実施したナイジェリアのプラスチックのバリューチェーンに関する調査の結果に基づき、循環型経済の実践促進を支援し効果的なプラスチック廃棄物管理の実施強化、特にプラスチックのリサイクルにおけるバリューチェーンを強化することを目指します。幅広い層の関係者へのアプローチを通し、包括的で参加型のプラスチック廃棄物管理を実施することが期待されています。

書簡の交換の署名式には、連邦環境省、ラゴス州廃棄物管理局、ラゴス州環境保護庁、アブジャ環境保護庁などの多くのプロジェクト関係者が出席しました。ジーン・バコレ UNIDO 駐ナイジェリア代表兼地域ハブ事務所所長は、「このプロジェクトは、ナイジェリアのプラスチック廃棄物管理に関する国家および州の実践ガイドラインを作成し、ラゴスおよび連邦首都のいくつかの対象自治体におけるプラスチックバリューチェーン強化、および循環型経済及び資源効率化を実践する技術実証を実施することである」と述べました。これは、2013年以降のナイジェリアとUNIDOの長期にわたる協力、特に2020年以降に日本との協力を拡大してきた結果であることを強調しました。

松永一義ナイジェリア連邦共和国日本国特命全権大使は、ナイジェリア連邦環境省の協力と、UNIDOのプラスチックなどの廃棄物の課題におけるこれまでの各政府との協業に感謝の意を表しました。さらに、「このプロジェクトは多面的であり、環境へのプラスチック廃棄物の排出を減らすだけでなく、ナイジェリアのグリーン産業における新しい経済的成長機会の創出にも貢献するであろう」と述べました。

シャロン・アイキアゾール連邦環境省国務大臣は、UNIDOと日本政府のナイジェリアに対する支援へのたゆまぬ努力に感謝の意を示しました。このプロジェクトは「非常に適切であり、これ以上ない良いタイミングである」と述べ、「循環型経済の原則と実施を国家開発計画に統合していく政府の努力を支えるものである」と述べました。