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アフリカビジネス・ネットワーキングフェア 2017 [東京]

2017年3月24日(金)、UNIDO東京事務所は、JICA主催によるアフリカビジネス・ネットワーキングフェア2017を共催しました。

<開会式>

一歩足を踏み入れると、圧倒されるエネルギーが押し寄せてくる会場。

アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)」に参加している、約300名のアフリカの若者達、約100社におよぶアフリカビジネスに関心のある日本企業、そして21の在京アフリカ大使館の代表達が集まった「アフリカビジネス・ネットワーキングフェア 2017」は、会場となった大田区産業プラザPioを大きく沸かせていました。

「このイニシアティブに参加されている皆さんは、アフリカと日本の将来の希望です」と開会式で挨拶をしたのは、日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟会長の逢沢一郎氏。同連盟の三原朝彦氏も、「皆さんの知恵と、日本で得た技術の知識を、母国で役立てていただきたい」と留学生たちに語りかけるように話しました。

日本企業のアフリカビジネス展開における「水先案内人」を育成する日本政府の事業、「ABEイニシアティブ」。
同じく開会式で挨拶に立った、外務省・中東アフリカ局アフリカ部参事官の岡田誠司氏は、日本政府は民間の参画の重要性を認識しており、2016年にケニアで開催された第6回TICAD VI(アフリカ開発会議)において、3年間で1,500名の人材育成支援を表明したことを紹介しました。

これら日本側の挨拶を受け、在京アフリカ大使館を代表して、アルジェリアのモハメド・スーマーニ公使は、同イニシアティブが時代に見合ったものであると述べた上で、今日の経済開発には、特に科学技術が重要な役割を果たしていることにも触れました。

最後に、本ネットワーキングフェアを主催している国際協力機構(JICA)のアフリカ部の江口秀夫部長が、これまでに100社以上がインターンシップを受け入れており、2014年に来日した第一バッチの若者達の半分がすでに自国に帰国している旨を紹介。本フェアも、「オープンかつ革新的」なものとしたいと述べました。

<参加者と参加社>

「世界でも一流の日本の技術は、素晴らしいです」と、エネルギー溢れる笑顔で話すのは、足利工業大学で学ぶ、南アフリカ出身のテボホ・ポエさんと、ザンビア出身のポール・ハバシムビさん。二人とも流暢な日本語で、「日本の技術を、自分達の力で自国に合った技術にしたい」と力強く訴えます。「日本滞在中、忙しくて遊ぶ時間がないのでは?」と問いかけると、「それは別、別!楽しい事もたくさん経験しないと!」と、別れ際には、笑顔で「失礼します」と深く頭を下げて行きました。

ケニア出身のヘレンニャンブラ・ンデレさんは、山形大学で理工学を学ぶエンジニア。「山形は寒いです」と苦笑い。専門の話になると、目を輝かせます。「TICADが自分の国で開催された事は、インパクトがあった」とした上で、手作業が中心である自国の農業に日本の技術を取り入れたい、と意欲を見せます。コンゴ民主共和国出身のンゼレンゲンゲ・タンビキ・ジュニアさんは、騒音の研究をしているとの事。「かなり専門的な分野なので、自分にしかできない貢献があると考えている」と、日本と自国が抱える共通の課題に取り組む意欲を見せます。

新潟の国際大学で学ぶケニア出身のマリー・ケムマ・マトゴさんと、芝浦工業大学で学ぶ南スーダン出身のアワール・アロップ・デン・クオールさんも、日本での滞在を有意義に過ごしていると言います。マトゴさんは、将来の事はオープンに考えているとした上で、専門とする国際関係を活かした職に就く事を検討しているとの事。一方のクオールさんは、建築を専攻。自国に戻り、日本での経験を活かしたいと言います。

100社ほどのブースは、精力的に話を聞こうとする留学生で、どこも列をなしていました。
「思ったより反応があります」と言うのは、中外油化学工業の秋元政人氏。「かなりニッチな分野ですが、車はどこにでもある、という点で、興味をひくのかと思います。アフリカ市場を検討する上で、参考になります」。

参加社の中には、マーケティングを念頭に置いた出展をしている、という企業も少なくありません。「この会場では、アフリカを知るためのマーケティングとして、皆さんからのご意見を集めていますが、インターンシップに興味がある、という方々については、人事につないでいます」と言うのは、富士通株式会社の永井美雪さん。同じく、マーケティングを念頭に置いて学生と話していると言うのは、ヤマハ発動機の愛知利隆さん。過去に、アフリカからの交換留学生と、すでにインターンとしてデザインを手がけていたチームのコラボレーションで、アフリカ市場を意識したバイクのデザインプロジェクトを手がけた経緯があると言います。

一方で、ABEイニシアティブで、タンザニアとケニアからすでにインターン生を受け入れた経験のある前川製作所の楢原龍哉氏と神谷勉氏は、「すぐに成果を出すのはむずかしい。価値が生み出されるのは、これから」とした上で、「現地に赴いて人を探して日本で研修して、というプロセスは一企業だけでは実施がむずかしく、すでに日本にいる人材へのアクセスができる事は大きなメリット」とも言います。また、同イニシアティブは、企業内における国際化にも一躍買っていると感じるとの事でした。

ネットワーキングフェアを共催した、UNIDO東京事務所、プログラム・マネージャーの今津牧氏は、「学生の真剣度が増しているように感じます」とコメント。また「大手のみならず、中小企業もABEイニシアティブへの参画に熱心である事も今年の特徴ではないか」と述べ、学生と企業側が互いに学ぶ機会ともなると、イニシアティブへの期待を寄せていました。

概要

日 時:2017年3月24日(金) 9:30~17:00
会 場:大田区産業プラザPiO 東京都大田区南蒲田1-20-20
主 催:独立行政法人 国際協力機構(JICA)
共 催:UNIDO東京事務所
後 援:アフリカ開発銀行アジア代表事務所

◆主催者による実施報告はこちらをご覧下さい。