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「低炭素かつ気候変動強靭性のある産業開発」JAPANスタディーツアー (UNIDOウィーン本部プロジェクト)

「低炭素かつ気候変動強靭性のある産業開発」JAPANスタディーツアー (UNIDOウィーン本部プロジェクト)

2017年6月12日(月)から16日(金)までの一週間、アフリカ対象国4カ国(エジプト、ケニア、セネガル、南アフリカ)の食品加工企業、組合、National Cleaner Production Centreを含む計11名の参加者が訪日しました。


FOOMA Japan 2017
国際食品工業展(一般社団法人 日本食品機械工業会主催、於:東京ビックサイト)や市場調査のため小売店などを訪問し、工場視察、また数々の日本企業との日本の生産・環境関連技術調達を念頭においた個別面談をUNIDO東京事務所の協力のもとアレンジし、様々な観点から日本とアフリカとの間のビジネス機会を促進する内容豊富な訪日視察となりました。

日本政府の拠出で実施されている「低炭素かつ気候変動強靭性のある産業開発」プロジェクトは、アフリカ4カ国の食品加工産業における気候変動の脆弱性についてバリューチェーンの視点から評価を行い、産業プロセスにおける気候変動への脆弱性を強靭化することに貢献する技術を移転し、アフリカの産業における緩和策・適応策の必要性について認知向上を図ることを目的としています。

プロジェクト対象国に数多くある候補企業の中から、専門家による幾層にわたるアセスメントを受け、当プロジェクトが提案する低炭素かつ気候変動強靭性のある生産へのプロセス改善に取り組む強い意思を持ち、また改善に伴う投資に必要な資金源を充分に持ち合わせた企業が、本プロジェクトおよびスタディーツアーへの参加対象者として選定されました。

各国の対象企業の産業分野と気候変動強靭化のための適応策技術は、以下の通りです。

来日企業の産業分野 気候変動適応策候補技術
ケニア 紅茶 茶葉乾燥時における送風機の効率化
砂糖 バガス用のベルト式乾燥機
ミルク バイオマスボイラー
セネガル 水産加工 製氷機
南アフリカ 果物加工、ジュース 排熱回収機能付き冷蔵施設
エジプト

 

訪日中に日本企業から得た様々な技術提案は、当該アフリカ企業によって技術専門家からアドバイスを受けながら評価・査定され、競合ベースで実際の技術提供先を決定します。

今年10月には、日本の関連省庁や企業、対象国の関連政府機関及び環境技術関係者や協力企業らをケニア・ナイロビに招き、低炭素かつ気候変動強靭化のための適応策の技術が生産コスト低減・効率性向上と共存しうるという生産モデルの普及の場とするべくワークショップを開催する予定です。日本とアフリカとの間のビジネス機会をアピールすることに加え、アフリカの関係者間で優良事例の共有を行う南南協力を促進する機会となることも期待されます。