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UNIDOと日本は、イランにおける漁業の競争力と経済危機からの回復力を強化するためにパートナーを組みます

UNIDOと日本は、イランにおける漁業の競争力と経済危機からの回復力を強化するためにパートナーを組みます

2020.06.15

2020511日、ウィーン国連工業開発機関(UNIDO)は、日本政府と連携し、イラン南部の港街チャーバハール市で、水産物の競争力を高める技術協力プロジェクトを開始しました。競争力の向上は、経済危機などからの回復力の強化にもつながります。

同国南部のシスタン・バルチスタン州に位置する同市は、国内で最も発展が遅れている地域の一つで、若者の雇用確保が大きな課題となっています。また、数年前から経済制裁を受けてきたため、同国の社会・経済は、アフガニスタンやパキスタンとの国境を越えた不法な麻薬密売が横行し、不安定さを増しています。

こうした課題に対処するため、本プロジェクト「水産業の強化を通じた経済レジリエンスの向上」は、現地政府や日本の機関、民間企業と連携。チャーバハール市の水産業における品質管理の能力の強化や、地元産の水産物を扱う新市場へのアクセス向上によって、漁業の収入向上や雇用機会の創出を図ります。

日本政府は、2016年からチャーバハール市に対するUNIDOのプロジェクトを支援しており、これまで蓄積された漁業バリューチェーンに関する豊富な専門知識やノウハウが、今回の新たなプロジェクトに更なる付加価値を与えることが期待されています。

齊藤貢駐イラン・イスラム共和国駐箚特命全権大使は「チャーバハールを含むマクラン海岸の開発は、この地域の人たちの生活にとって重要な意味を持っています。チャーバハールはインド洋にあるイラン唯一の港で、中央アジア諸国が国際水域にアクセスするために重要な南北回廊ゲートウェイでもあります。日本政府は、この地域の伝統的産業の一つである水産業の振興に向け、UNIDOの支援を決定しました。この地域の潜在能力とUNIDOの本プロジェクトの活動が、人材育成能力と水産物の競争力の向上に貢献し、結果としてチャーバハールの人たちの所得向上につながることを期待しています」と述べています。

イランは新型コロナウイルスの影響を最も受けた中東諸国の一つであり、本プロジェクトは同国の社会の安定性と回復力を高めながら、経済的な機会の促進を通じ、イランの発展を支援します。また、日本政府が援助・開発政策の中で優先的に取り組んでいる「人道、開発、平和」の結びつきをさらに強める結果にもつながります。

UNIDOウィーン本部(※以下の連絡先へ英語でお問合せ下さい。)

Monika Eichberger

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