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ジェンダー平等と女性のエンパワーメント

ジェンダー平等と女性のエンパワーメント

2021.03.22

ジェンダー平等と女性のエンパワーメント

UNIDOのビジョンは、女性と男性が平等に、包括的で持続可能な産業発展を導き、参加し、利益を得るというものです。 ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは、UNIDOの使命の一つです。UNIDOは組織として、産業におけるジェンダー不平等に対処し、変化をもたらすリーダーおよび経済主体としての女性の可能性を最大限に活かすことで経済を変革し、包括的な成長を促すことに取り組んでいます。

貧困削減の推進力として女性の役割を強化し、女性投資家と起業家を促進し、ジェンダー平等と環境保護との関連を認識することの全てが、包括的で持続可能な産業化を促し、持続可能な開発のための2030アジェンダとその持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することになります。

ジェンダー平等と女性の経済的エンパワーメントを目指すことは、女性の権利実現という観点から重要であるだけでなく、経済発展の手段でもあります。 ジェンダー平等が進むと経済はより速く成長します。 貧困にあえぐ人が少なくなり、全体的に人々の幸福感が増します。 女性が労働市場で男性と同じ役割を果たした場合、世界の国内総生産は2025年までに25%以上増加する可能性があります。

UNIDOは、出自やアイデンティティに関係なく女性と女児が直面する差別に挑戦するプログラムの実施に取り組んでいます。このようなプログラムは、社会規範と権力関係の変革を促し、経済、環境保全、気候変動対策への女性の参加と女性のリーダーシップの向上を優先して行っています。 UNIDOは、国連システム、民間セクター、国家レベルのパートナーと協力して、女性と同様に男性も対象とし、女性と男性の成功と経済への貢献の両方を制限する権力関係、社会規範、ジェンダーステレオタイプを変えていくサポートをしています。 UNIDOはこれらのパートナーシップを通じて、4つの分野で技術協力活動を行っています。女性の人材・能力開発をすることにより、女性の起業家精神と雇用創出、教育・職業訓練ならびに女性のリーダーシップ、気候変動への対応・防止における女性の存在感を高めること、そしてジェンダーに応じた産業開発のための知識と能力を構築することにより、UNIDOは男性と女性の両方が繁栄できる世界を作ることを支援しています。

UNIDOは全てのプログラム、案件、組織の慣行においてジェンダーを重要視しています。 2019年9月に発行されたUNIDOのジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関する新しい政策は、組織のジェンダー平等への取り組みと、そのジェンダー構造の是正と責任を定めています。 今後4年間に組織における当分野での向上をさらに推進するために、UNIDOは、2020年から2023年までのジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための戦略を策定しました。 この戦略は、UNIDOのプログラムと組織的慣行のフレームワークを提供し、ジェンダー平等への取り組みを躍進させます。この戦略では、ジェンダー平等の推進と、それを可能にする包括的な労働環境をジェンダーに対応した戦略的計画とプログラムと組み合わせることによってのみ、UNIDOがジェンダー平等に関するグローバルな成果の達成を推し進めることができると考えています。

関連資料

重要分野におけるジェンダー平等に向けたUNIDOの貢献 – Beijing+25

ジェンダー平等と女性のエンパワーメント:概要

UNIDO エネルギープログラム:包括的で持続可能な産業開発のための女性のエンパワーメントと持続可能なエネルギーの相互利益


インパクトストーリー

「意欲と献身によって彼女は挑戦をチャンスに変え、女性に門戸が閉じられていた職場に入り、他の女性たちを応援しています。」

マミ・ジョアは彼女のコミュニティのロールモデル、またインスピレーションです。5人の子供の母親で女性のエンパワーメントの主唱者である彼女は長年、建設業界で働く唯一の女性でした。マミはUNIDOが行った大工研修に参加した初の女性で、彼女は技術的な木工技能に加え、ビジネスを管理し起業する起業家としてのノウハウを学ぶことを望んていました。日本政府によって資金提供されたUNIDOのプロジェクトは、支援が必要なコミュニティに住む人々に職業・技術訓練を提供しました。

現在、彼女はリベリアのユニフィケーション・タウンの木工所で働いています。彼女は将来自分の木工所を持ち、他の女性大工を雇うことを目指し努力しています。それと同時に、女性にUNIDOの木工訓練に参加するよう支援する女性のサポートグループを設立しました。彼女は男性中心の業界で働き始める若い女性にとってコミュニティによる支援がいかに重要かを理解しているためです。

マミは情熱を見つけ、それを生活の糧に変え、現在は他の女性を同じようにサポートしています。彼女は自分のコミュニティが抱える葛藤や辛苦をよく理解しており、そこに変化を起こそうと考えています。マミの目標は、彼女や彼女の子供、また全てのコミュニティにとって、より安定した明るい未来を築くことです。彼女はその目標の達成が、彼女ができる限り他者を支援することで成し遂げることができると考えています。

トピックス

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[UNIDO本部] オンライン国際会議「産業とイノベーションにおける女性の役割」を開催

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「日刊工業新聞」のSDGs面にUNIDO東京事務所 安永所長の「ジェンダー平等と工業開発」が掲載されました。

「日刊工業新聞」のSDGs面に、UNIDO東京事務所の安永所長が連載を寄稿しています。2021年3月2日には、「ジェンダー平等と工業化」を寄稿し、テクノロジーが世界の女性のエンパワーメントに繋がることを紹介・提唱しています。
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