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感染症対策の技術移転に向け、モロッコ・ケニアの関係者と初会合

感染症対策の技術移転に向け、モロッコ・ケニアの関係者と初会合

UNIDO東京事務所は、2021年3月および4月にモロッコとケニアにてサステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)実証事業に関するオンライン関係者会議を実施しました。本プロジェクトは日本政府(外務省)から拠出金を受けて12ヵ国で実施しており、モロッコとケニアも対象国に含まれています。プロジェクトは日本からの技術移転を通じて新型コロナウイルス感染症や様々な感染症対策に貢献することを目的に掲げ、さらには途上国における保健・衛生環境の向上を目指しています。

3月23日にモロッコで開催された関係者会議は、日本の廃水処理システムをマラケシュ=タンシフト=アルハウズ地方、タザール・コミューンのブーガニム村へ導入するための最初のワークショップとして開催されました。日之出産業株式会社は、本プロジェクトを通じて微細気泡と好気性微生物によって汚水処理を強化する「ヒノデマイクロバブラー」を現地に技術移転します。会議では、設備導入や整備が容易であることや、コストとエネルギー効率の良さなどの技術の特長が紹介されました。

同社は2020年より実証事業を開始し、機材の製造・分析などを完了したことを報告。現在、現地の関係者やパートナーの支援を受けながら、ブーガニム村への設備導入を進めています。今回のワークショップは、日本の中小企業とタザール・コミューン関係者がプロジェクトの成功に向けて認識を共有する良い機会となりました。会議には在モロッコ日本国大使館、在日本モロッコ王国大使館、モロッコ外務省アフリカ協力・モロッコ駐在員局、モロッコ内務省、タザール・コミューン、ブーガニムアソシエーション、日之出産業株式会社、UNIDOなど59名が出席しました。

モロッコでの関係者会合の様子

 

一方、4月14日にケニアで開催された関係者会議では、同国で実施されている3件のSTePP実証事業の現状が報告されました。日本の中小企業3社はそれぞれの技術と事業の実施状況について説明し、現地関係者との情報共有を行いました。

まず株式会社キンセイ産業は、4月までにエネルギー効率の高いガス化焼却炉をナイロビのムトゥイニ病院に設置し、5月に実証試験と現地研修を開始する予定だと報告。 TSP太陽株式会社は「太陽電池モジュール搭載型移動式検査システム」をマチャコス郡病院に導入し、トレーニングとセミナーを5月までに実施すると報告しました。最後に、丸昌産業株式会社からは、光触媒による抗ウイルス・抗菌コーティング剤「InviroshieldM5」を、 3月にハルマジュミア病院、4月にニャスーナ・サブディストリクト病院に導入し、実証とトレーニングを実施したことを報告しました。

関係者43名が出席したケニアでの会議では、プロジェクトを実施する日本の中小企業3社とケニア関係者との対話が促進され、長期的な協力の機会をさらに模索したいという強い意志が表明されました。また、ケニア産業・貿易・企業開発省とケニア保健省の代表者は、STePP実証事業の重要性とケニア国家開発アジェンダとの整合性を強調しました。最後に、ケニア・日本・UNIDOによる強固な協力体制による成功の証として、2021年8月にナイロビにてセレモニーを開催することで合意し、会議を終えました。

ケニアでの関係者会合の様子