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第71回

第71回

  11都府県で緊急事態宣言が続く中、皆さんいかがお過ごしでしょうか? テレワークでは仕事ができない職種・環境の方もおられると思いますし、医療機関にお勤めの方は本当に危機的な状況の中で仕事をしておられると思います。是非、万全の注意を払って安全にお過ごし頂きたいと思います。

  前回は珍しく米国の民主主義について言及しましたが、無事、バイデン政権が船出をしたようです。これについては、その政策が明らかになり次第、開発途上国・新興国の経済や産業発展にどのような影響を与えるか、おいおい分析していきたいと思います。

  今日は、ちょっと毛色を変えて「折り紙」の話です。折り紙はおそらく日本固有のアートです。どれくらい固有なのか、詳しくは分かりませんが、少なくともORIGAMIという言葉が海外でも使われ、かつ、様々な作品が生まれ続けているところを見る限り、世界でも一定の評価を得ているものと思います(アジアの中でも日本だけ?)。

  大事なのは、「鶴」とか「菖蒲」だとか「奴さん」とか「兜」とか、おそらく日本人なら誰でもこうしたものを自分で折れることなのだと思います。もう25年以上前の話になりますが、私がエネルギー政策の国際協調機関であるIEA(International Energy Agency)の関係の仕事をしていた当時、機関の設立25周年を迎えて、記念の理事会を京都で開催しようということになり、私は「奥様プログラム」の責任者になったのでした。(この言葉、今だと Politically Incorrect となるでしょうね。)当時、やはり各国政府の会議出席者は男性が多く、「京都での会議開催」となると、何と自費でご家族を連れてこられる方々が沢山おられたんですね。勿論、理事会というのは機関の意思決定を行う場ですから、議題も多く、私も「奥様プログラム」の仕事の傍ら、ドキュメントの文章を書いたり、それを上司にブリーフしたりということもやっていた筈ですが、実は殆ど記憶にありません。えへへ。

  その代わり、日夜、先方の食事の制約(当時も勿論、vegetarianという言葉は使われていたが、veganという言葉は無かったなあ)を訊ねたり、ご主人方が会議場に閉じ込められている間のプログラムに知恵を絞ったり、という日々です。勿論当時は電子メールという文明の利器はありませんので連絡はFAXです。食事の制約の回答に「Sushi, please」とか書いてくる代表がいたり、長閑な時代でした。私と同僚の若手も一計を案じ、絵の得意な上司に我々の似顔絵を描いてもらってそれをFAXし、「現地ではこの二人がお世話します」と。

  生け花、茶道のデモンストレーションにご案内した後、スキヤキパーティ。料理が出てくるまでに若干の間がありましたので、私と若手でしばし「折り紙教室」を開催。日本人なら「折り鶴」は誰でも作れるんだよ!と言うと、皆さん感嘆。千代紙もとても好評でしたし、開催後に多くの参加者の方々からお礼状まで頂戴しました。こういうことでも hospitality というのは表せるもんだなあ、ととても勉強になりました。

  今回は分量の制約で触れられませんでしたが、ORIGAMI は工学的にも大きな注目を浴びています。代表例は、人工衛星につきものの太陽電池パネル。打ち上げ時にあれを「折りたたむ技術」として「ミウラ折り」という技法が考案され、宇宙での実証もなされています。