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第63回

第63回

 今回は、外国語の話です。あちゃ~。

 先日、セネガルと日本の国交60周年のイベントにお招きを受け、参加してきました。私はUNIDOのセネガルへの投資や技術移転を促進するための方針を5分ばかりご説明する、という役割でしたが、外交上のイベントですので、冒頭のご挨拶だけはフランス語でやりました。こういう時に有難いのは、マルチリンガルな同僚の存在です。「この文章、仏語訳お願い」「読み上げるから発音チェックして、間違ってたら注意してね」というようなことを気軽に頼めるのは何といっても心強い。

 国連の公用語は英語、仏語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語の6ヵ国語です。国連職員は、当然、幾つかの公用語でのコミュニケーション能力を有さねばなりません。日本語は残念ながら日本人の間でしか通じないローカルな言語です。また、国連の成り立ちの経緯から言っても国連公用語にはならないでしょうし、ビジネスの世界でも同様です。私もフランス語を習ってはいるのですが、恥ずかしながら全然上達しない・・・。40年前、大学時代は第二外国語としてフランス語を履修し、大学院の入試にも英語と並んでフランス語もあったし、何より、IEA(国際エネルギー機関)の石油供給途絶時の国際協調行動を担当していた時代にはフランス語のドキュメント(仏、ベルギー、スイスの代表は頑なに仏語文書しか出して来ないので嫌でも読まざるを得ない)も読んでいた筈なのですが・・・。

 どうも自分は外国語習得能力が低いのではないかと思うのですが、本当の理由は「必死にやってないから」ですね、絶対。まあ、フランス語のレッスンは週150分だけだし(しかも仕事の都合で月4回できることは稀)、そのくせ宿題には直前15分くらいにしか手を付けないし、今日こそは単語や動詞の活用を練習しようと思いつつ意思薄弱なので実際にやったためしがないし・・・。ま、全部、自分の問題、の一言なんですがね。

 大学生時代、と言っても実験とかの少ない教養学部時代ですが、授業をサボってヌーヴェル・ヴァーグ期のフランス映画を観るのが好きでした。九州とかでは絶対に見られないゴダール、トリュフォー、ルイ・マル、エリック・ロメールなんかの映画をたくさん観ました。一番好きなのはアラン・レネの『去年マリエンバートで』ですが、最も繰り返し観たのはゴダールの『気狂いピエロ』ですね。最後のシーンで流れる「見つかった・・・」「何が?」「永遠が・・・」「海に溶け込む太陽が・・・」というのが実にカッコ良い。シビレる。九州から出てきた田舎者の兄ちゃんにはグッと来る訳ですね。これが、ランボーの詩『地獄の季節』の一節だと知ったのは、それから相当の年月が流れて妻と結婚した後でした。妻の持っている岩波文庫のランボー詩集の中にこれを見つけました。実はこの詩、結構長いですが、一番おいしいところがこの部分で、その前後はそんなにカッコよくありません。な~んだ、という感じです。

 とは言え、一人前の国連職員になるには、せめて英仏2ヵ国語くらい何とかしたいと思いつつ、帰宅するとグーグー寝てしまう。こりゃダメだ。