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第37回

第37回

 気が付けば4週連続でこの「ひとりごと」の書き出しがコロナウィルスでした。これでは幾ら何でも芸がない。今回は別の話題です。

  「燻し銀」という言葉があります。芝居でも相撲でもプロレスでも、ビジネスでも、よく「名脇役」というべき存在との相性が良い言葉です。人生誰もが主役を張れる訳ではない。が、何らかの形で華やかな舞台の隅っこで、それなりの存在感を示し、お役に立ちたい、そういう時に静かに輝くのが「燻し銀」という役柄であります。

 私が幼少期に初めて「燻し銀」の魅力を感じたのは、TV番組『仮面の忍者・赤影』に出ていた「白影」役の牧冬吉(まき・ふゆきち)というオジサンでした。この番組を覚えているのは50代後半以降でしょうな。白影のオジサンは凧に乗って「赤影どの~」と叫びつつ空中から現れる(地上で誰が凧を上げているのか、等は全く言及されない。ほんっと謎)。凄くカッコいいと思いました。一方で、主役の筈の赤影についての印象が全くありません。実は凧が燃やされたり、悪者に操られたりして、白影がドラマのド真ん中で活躍する局面は意外と少ないのですが、それでも子供心にビンビンと響いたのです。

  次が、日本プロレス時代の『火の玉小僧(選手晩年は闘将だったかな)』吉村道明。何と言っても彼の真骨頂は、タッグマッチ。今から思えば、馬場や猪木といったスター選手の「引き立て役」で、必ず「外人組」に捕まり、コーナーポストでいたぶられて大流血し、一本目は3カウントを奪われる。二本目も吉村がボコボコにやられるが、打点の高い正面飛び型のドロップキックで反撃開始、最後は電光石火の飛び込み式前方回転エビ固めで逆転勝利。まあ、三本目はお約束のとおり、馬場の16文キックか猪木のコブラツイストで日本組の勝利という予定調和ですが、勝利者トロフィーを抱えて控え目に馬場や猪木の隣に立つ吉村選手が、割れた額にタオルを巻き、そのタオルが鮮血に染まるのにシビれた! 子供心に「吉村道明みたいになりたい!」と思ったものです、いやホントに。

  まあ、何だか、子供時代から、真正面のヒーローよりは癖のある脇役指向というヘンな屈折を抱えたガキだった訳ですが、サラリーマンを引退したら、本気で役者になり最後は大河ドラマに出たい、というのが私の人生の密かな夢ではあります。これを言うと家族に馬鹿にされるのですが、配役としては、将軍足利義輝を殺害し、東大寺の大仏殿を焼き払い、最後は信長に叛逆して名物・『平蜘蛛の茶釜』と一緒に自爆して果てた松永弾正久秀の役を毒々しく演じて、全国のお茶の間にトラウマを与えたいと考えています。

  最後に宣伝を。これから月に1回程度、日刊工業新聞の『未来を変える』というコーナーで、SDGsについて、東大・未来ビジョン研究センター教授・総長特別参与の沖大幹先生、同センター教授の高村ゆかり先生、国連広報センターの根本かおる所長という錚々たるメンバーに交じって、連載で寄稿させていただくことになりました。私のデビューは先週317日(火)でした。今後、ご期待下さい。なんちゃって。