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第34回

第34回

 ついにコロナウィルス感染拡大の脅威がここまで来てしまった! 当事務所でも、先週、コロナウィルスの日本国内における感染拡大の状況に鑑み、3月中旬に予定していたチュニジアとパキスタンのデレゲート・プログラムを「延期」と致しました。

 先週後半には、安倍総理から全国の小中高等学校の休校の要請が出るに及び、これは前代未聞の事態だと感じざるを得ません。私たちも、先週水曜(26日)の朝までは、「政府の『基本方針(2月25日発表)』にも、“イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではないが“って書いてあるし、何とかして開催できないかな」ということで、マスクやアルコール消毒剤の確保や、セミナーでの座席配置の間隔確保の工夫等をしつつあったところですが、さすがにそういう事態では無くなったようです。

 私は専門家でも何でもないので、本件については、組織の長として「リスクの最大限の回避」を主眼に行動せざるを得ません。当方の主催するセミナー類はおおむね50~100名程度の方々が参加するので、まあこれは一般的常識では「大人数」と言えるだろう、また、チュニジアやパキスタンの投資促進機関の関係者にとっても、こういう状況下では「是非日本企業に投資促進のための情報提供を」って言えないよな、そもそもセミナーの参加者や外国政府関係者に対して、我々がコロナ感染のリスクを負わせる訳には絶対にいかないし、そもそも参加者側にもこういうセミナーに出席できない(あるいは出席したくない)人が増えるだろう、と考えると「延期」しか解はない訳です。(先週木・金は関係者への説明や、今後どうするかの相談に費やしましたが。)

 私以外の、私と同様の立場にある方々もおそらく同様のご判断でしょう。小中学校の一斉休校措置にも色々な立場の方々から指摘があり、これも簡単に結論が得られるものでは無いと思います。私も工学者のはしくれですから、「リスク=感染確率×症状の重篤度」と考えます(工学者とか見得を切らなくても、当たり前ですね・・・)。今回のケースは、そもそも未知の感染症なので、上記等式の右辺の2つの因子は不明確です。そういう場合は、「専門家」がある程度の前提を置いた上で見解を示すことが不可欠です。専門家には当然「プロフェッショナルの見識」が問われます。全てのリスクを回避したいのなら、日本国民全員がゴロゴロ家の中で寝転んでいるしかないですが、それでは社会は機能しませんから、何をどこまでなら許されるか、社会活動にどのような影響があるかを、感染症、医療、社会インフラ、経済活動、教育等のプロがそれぞれ示し、リーダーがそれを統合する形で「判断」を下すしかありません。今回の様々な措置が正しかったか、不足していたか、過剰だったか、不足ないしは過剰であったが現時点での各プロの認識からは最良のものだったかどうかは、しばらく後にならないと分かりません。また、一連の措置を「解除」する判断はどういう条件下で行うのかも、まだ見えません(こちらの方が実は難しい)。

 私は、人生に必要な全てのことをプロレスから学びましたが、異種格闘技戦全盛時に、御大ジャイアント馬場が「我々はプロだから、素人に負ける筈がないんですよ」と言っていたのを思い出します。日本にも、多くのプロがおられると期待していますが・・・。