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第29回

第29回

 先週は、UNIDOの定例の会合でウィーンに出張していました。ウィーン出張というと羨ましがられることもあるのですが、冬の中欧の天気はご存知のとおり、寒いし、何だか曇ってるし、土曜は粉雪も舞ってたし、ということであまり快適ではありません。

 また、毎日会議なので、その打ち合わせだとか、発言原稿を作る(日本人なので意図を完全に通じさせるためには、勝負だと思えば作ります)だとか、東京ではどんな活動をしているのかを説明したり、先方からセミナー等への参加を依頼されたり、ということで、意外と忙しく、決して優雅ではありません(仕事だから当然ですが・・・)。

 となると、唯一の楽しみは食事ということになるのですが、朝はともかく、昼は会議場の中で、となると夜しかありません。UNIDOの日本人職員諸氏とモロッコ料理を楽しみましたが、酒を置いていないレストランだったのでワインは持ち込み、ということで。そう言えば、ウィーン料理というものは食べていない、というか極力食べないようにしている、というのが本音ですかね。誰しもウィーンに行くと、一度は例のウィーナー・シュニッツェルという何だかペラペラの、味の全くしないカツレツのようなものを食べるのだと思いますが、特に毎回食べようとは思わない代物です。あれ見ると「あ~日本のトンカツ喰いてえ!」と思ってしまいます(朝食のソーセージとかは十分に旨いんですけどね・・・)。ただ、お菓子というかスイーツは美味い! 朝食ではりんごの沢山入ったアップルパイ(Apfelstrudel:アプフェルシュトゥルーデル)やチョコレートケーキやらをご飯の代わりに食べる訳ですが、これが甘いもの好きの私にとっては至福の瞬間、というしかない。

 私はこれまで2年間アメリカに留学していた以外は海外駐在経験がないのですが、やはり海外での生活の満足度を左右する極めて大きな要素は「食べ物」でしょう。一度このブログにも書きましたが、留学時代はコロラド州に住んでいたので、シーフードが食べられず、毎日のようにヴェトナム料理(フォーと揚げ春巻)ばかりを食べていました。また、結局、世界のどこでも中華料理は食べられるし、味も問題ない、ということも学びました。

 私が経験した中では、やはりアジアの飯は美味い、というか日本人の口に合います。辛さが気にならない私にとってはタイ料理も素晴らしいし、インドのカレーはやはり奥が深い。一方で、モンゴル料理は野菜が少なくてちょっとしょっぱいけれど羊の肉が実に味わい深かった。肉の味といえば、韓国料理の肉の味の深さとバリエーションにはいつも感動します。アフリカでの食事も楽しみです。ただ、概して言えば旧宗主国がフランスやポルトガルの国は飯が上手く、旧宗主国がイギリスの国はその逆のように思えます。人生にとってのプライオリティの違いを感じます。ここ、結構大事なところです。また、マグレブ諸国に行くとクスクスが出ますが、クスクスにレーズンを入れたり、蜂蜜をかけたりと、これまた楽しみです。私は各国の大使館のレセプションには極力お邪魔するようにしていますが、これは勿論のこと大使閣下ほかの方々と仕事の話をするのが目的の一つですが、実は「飯の美味い順に出張の予定を入れてやろう」という邪心もあるからなのです。