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第141回

第141回

 私は昭和のオジサンですから、すべからく雑にできています。デリカシーというものは期待できません。それは自分でも、また周囲の人々も分かっている(と期待している)のですが、どうも最近の風潮には戸惑うことも多くなってきました。

 先日、オンラインのニュースを見ていたところ「男女一緒のプールに生徒ら疑問の声 仙台二高、水泳授業3年ぶり再開」という記事を発見しました。女子生徒は「男子の視線が気になり、プールに一緒に入ることに嫌悪感を覚える」、男子生徒は「体形などさまざまな面で、異性だけでなく同性の目も気になる。不快な思いをして授業を受けることに疑問がある」と言っているそうな。勿論、ごく一部の生徒さんの声ということではありますが。

 

 私は高校は男子校ですから、女子生徒などいる訳もなく、イヤらしい視線を飛ばす余地も無かった訳ですが、中学校時代でもそういう意見を女子生徒から聞いた覚えはないなあ。見るな、と言われても嫌でも目に入るし、こっちも見られても別にどうということはないですよね。最近の若者は色々と面倒くさいですなあ~という緩い感想しか出てきません。

 

 思い出せば、小学校時代(特に低学年)は、水泳の時間に海水パンツに着替えると、大体豊登(とよのぼり:昭和期、力道山時代からG馬場時代の過渡的な一時期を日本プロレスのエースとして活躍したレスラー)の真似をして両腕をカラダの前で交差させ、脇の下でカッポン、カッポンという音を立てて喜んでいたなあ。あれ、プロレス的にもどういう意味があったのか全く意味不明(一説には対戦相手への威嚇用という指摘もあったが・・・)でしたが、それにしても、馬鹿バカしく大らかな時代ではありました(勿論、女子は豊登の真似等はしていなかった・・・と思う)。

 

 そう言えば、小学校時代の健康診断時、少なくとも小学校3年生くらいまでは同じ教室で男女生徒がともに衣服を脱いで廊下を並んで検診に向かっていたような朧気な記憶がありますが、これ等、今なら多分訴訟モノですね。

 

 ついでに言えば、喉の扁桃腺を見る時など、お医者さんは金属のヘラ状のものを使っていましたが、あれ、一度使ったものを消毒液の中に入れただけで再利用していたんじゃないかなあ?(間違っていたら指摘して下さい) 医療廃棄物の処理等も今ほど厳格にやっていなかったような(必ずしも正確ではないかもしれませんが)・・・。考えてみると、相当テキトーでしたね。勿論、こうした衛生・安全に関することは今のやり方の方がずっと良い訳ですから、昔は大らかで良かった等と言うつもりもありませんが。

 

 さて、私が何を言いたいのか、世のオジサン達にはもうお分かりだと思いますが、「このままの勢いで色々なことに配慮して事細かく注文を付けていると、そのうち何もやれなくなってしまうのではないか?」ということなのです。今回の男女プール問題で言えば、さまざまな事柄に違和感や嫌悪感を抱く人がいる以上、放っておくことはできないと思いますが、一方で細かいことを気にし過ぎる文化は、衰退するのではないかという懸念を持っています。

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