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第124回

第124回

 2月の風物詩と言えば、「節分」と「バレンタインデー」ではないでしょうか。節分は立春(24日頃)の前日を指す場合が多いそうですが、「鬼は外、福は内」と声を上げて豆を撒くアレはさすがにこの2年ほどは大々的に行われることはないようですが、コロナ以前は人気のスポーツ選手が神社等で裃を着てやってましたよね。もとは季節の変わり目(立春・立夏・立秋・立冬)には邪鬼が生じるというので、それを追い払うための儀式だったそうですね。

 拙宅の近くの篠原八幡神社(数年前TVドラマの撮影に使われたとかで最近人気が高まっている様子)でも、多くの老若男女が豆撒きの日には箱や帽子を持参し(極端な中学生は段ボール箱を持ち込んでいた)豆をキャッチせんとするのですが、これが意外と上手くいかない。本来なら私は年男ですので豆を撒く係に立候補しても良いのですが、まあなかなかこのご時世ではそれは叶いませんね。

 一方、バレンタインデーは純粋には舶来モンの風習です。1960年代に某チョコレートメーカーが売上げの不調な2月の需要喚起を狙って仕掛けたという説がありますが、いずれにせよ、私の中学生時代(1974年~1977年)は、このバレンタインデーというものが女子中学生・女子高校生の手によって大きな商業ムーブメントになっていった流れの只中にあったように思います。いつの日からか、「学校にチョコを持ってきてはならない」という校則(ルール)もできたらしく・・・。

 当然、バレンタインデーを巡る悲喜劇というものは枚挙に暇がなく、中学生時代はスポーツができる奴しか絶対に(!)モテないので、「214日は大きめのボストンバッグを持って行く」というバスケット部の同級生が居ると思えば、「バレンタインデーにばれんを貰った(これ、実話です。ばれん、というのは読者諸兄・諸姉はご存じかと思いますが、版画を刷る時に使う、厚紙を竹の皮で包んだ一種の文房具です)」同級生、何となく古風な佇まいで周囲から一目置かれていたからか「羊羹を貰った先輩」等が居ました。

 もともとSt. Valentine’s Dayというのは「(キリスト教圏では)一般に恋人や家族など大切な人に贈り物をすることが習わしとなっている(出典:Wikipedia)」日なのだそうですが、日本では「日頃、自分からはそういうことを言い出せない女性」が「年に一度、好きな男性にチョコレートを贈って愛を告白する」日になっている訳ですね。これはこれで良いと私は思いますが、ジェンダー論的には何か文句を付ける人が居てもおかしくはない。近いうちに「男性も女性にチョコレートを贈って構わない」とか、「性別等は全く意識しなくて良い」と言う風になるかもしれません。知らないだけで、もうそうなっているのかもしれない。

 最後に、何だか節分とバレンタインデーの両方に便乗した(?)感のある「恵方巻」。この風習は、関西地方発祥らしいですが、そっち方面出身の人に訊いてもあまり由来というものが良く分からない。まあ、SDGs的コンテクストでは、毎年コンビニでの売れ残りの恵方巻きの量が、フードロスの観点から「もったいない」の象徴として報道されます。巻き寿司は日常の食材だし、若い女性がチョコレートのように何か思いを託すというような物語性もないから、バレンタインデー的に流行ることは、まずあり得ないと思うんですがね。