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第123回

第123回

 ああ、ついに1月が終わってしまった。1年の1/12がこんなに早く過ぎるとは・・・。

 最近気になるのは、心療内科でのガソリン放火事件、大学入学共通テスト会場前での高校生による刺傷事件、猟銃立てこもり男による医師死傷事件といった、「何の関係もない第三者や善意の関係者」を身勝手に巻き込んだ凶悪事件の発生です。さすがに、日本社会も最近病んでいるという気がしてきてなりません。

 自分が聖人君子として生きてきたとは決して言いませんが、しかし他人様を故なく傷つけ、果ては命を奪ってしまうというのは、およそ正気の沙汰ではない。こういう凶悪事件だと、これが米国なら犯人は駆けつけた警官に射殺される可能性もあります(それが別種の悲劇を生むことも勿論ですが)。前述の高校生の事件など、犯人の在籍する高校の校長だかが翌日世間様に出したメッセージもどうかと思います。「何でもコロナのせいにするなよ、そういう時は何よりも全力で謝れよ!」と思った人も私だけでは無い筈です。勿論、その高校が悪いのではなく、本人の歪んだ考え方が一番問題なのでしょうが・・・。

 尤も、こういう事件が立て続けに発生するということは、社会の中でも様々な歪が出ていることの証左なのだろうと思います。そこに対しては、当局も社会の一員である我々もできる限りのことをやっていくべきでしょうね。

 国際機関の一職員でしかない私にとっては、まず仕事をやって日本と開発途上国・新興国の双方に繁栄の果実をもたらすことが第一ですが、36年間のサラリーマン生活で身に着けたのは、「仕事の結果だけでなく、そのやり方も明るくする」という考えです。そういう姿勢でいると、時として無駄や非効率的に見えるものもあります。今もそうですが、企業のお偉いさんを訪問して何がしかの言葉を頂かなければならない仕事があります。そういう時に一番頭を使うのは、「どう話を切り出すか」です。そのヒントは、勿論ウェブでその会社やお偉いさんのことを調べることから始まりますが、お邪魔したときに「現場でパッと目についたもの」の話題が突破口になるケースも多いと感じます。ある会社では、実業団の柔道に力を入れていました。会社の玄関には選手の見事な「内股一本!!」の写真と賞状が・・・。そこでお偉いさんとの話のツカミは「会長、●●選手の△△大会優勝おめでとうございます。内股一本! 豪快ですね」で行こう、となる訳です。これが本当に良いやり方なのかどうかは分かりません。が、こうした一言が場の雰囲気を和やかなものにしてくれたことは何度もあったと思います。英語でもこういうのをice breakingと呼ぶんですね。おっと、ここで「内股」を「一本背負い」等と間違えては失笑を買って逆効果。私にとっては、そこを間違わないことが「教養」です。ちょっとズレてるか。

 特に、その会社にとって直接の商売や儲けになる話を持ってお邪魔している訳ではない我々としては、用件の中身は3分くらいで十分お分かりいただける筈で、「よし、分かった」と言っていただくには、関係者への根回し等に加え、こういう雑談・余談といった瞬間芸も大事だと思うのは昭和のオヤジだけですかね? 「余談、パッ・・・て。鉄板だよ」(回文)。