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第120回

第120回

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

 さて、年明けから既に10日余りが経過しました。感染力が強いと言われるオミクロン株によるCOVID-19の感染拡大が気になります。これで丸2年を過ぎ、3回目の冬だと思うと「いつまで続くのか?」という不安とウンザリ感が募ります。が、何とか仕事も続けていかねばならないし、そのためには自衛手段を極力講じていくしかありません。

 年末年始はひたすら家の中でゴロゴロして、まさに「粗大ゴミ」と扱われていた訳ですが、正月用のおせち料理に若干でも貢献するかと、エビの煮物だけは私が作りました。とはいえ、スーパーで買ってきた冷凍の有頭エビを熱湯で煮て、おもむろに酒、みりん、昆布だし、醤油をテキトーに鍋にぶち込むだけです。出汁が良く出て簡単で美味い。背ワタは、食べる時に取れば宜しい、というまことに雑なスタイルですが、我が家では飼育中の猿どもがエビの殻を剥いて食べるのが下手糞なせいで、結局私が殆ど食べてしまいます。

 ところで、まあこうして正月に美味いエビを食べられるのも、日本の漁業関係者、水産物輸入商社、物流関係者、流通関係者の皆様が働いておられるおかげと感謝せねばなりませんが、近年、世界の海産物市場では日本の「買い負け」が頻繁に発生しているらしいですね。勿論、「買い負ける」人の反対側には「高値で買う」人が存在する訳で、お隣の某大国はこういうところでも存在感を増しているということが分かります。

 そういうこともあるせいか、最近、「昆虫食」が注目されているようです。SDGsの文脈でも、牛や豚は牧草や飼料を食べる際に、間接的に大量の水(Virtual water)を消費しているし、世界的なサプライチェーンを見ると輸送のためのエネルギー(化石燃料)も大きい、ということで、環境負荷が小さく、かつ栄養価の面でも非常に優れた食材である昆虫を食料(タンパク源)にしよう、という動きですね。

 小学生時代に読んだ『ファーブル昆虫記』には、ファーブル自身がセミをフライにして食べた、というエピソードが書かれていました。確か「エビのような味だった」と表現されていたと記憶してします。昆虫も、硬い殻や食感の良くない羽根や足を取って料理すると「エビのような味」になるとか。確か、正月のTV番組でもそういうのやっていたなあ。

 かつて経産省で鉱物資源開発を担当していた頃、内陸国のボツワナでは、地質調査に雇われた現地スタッフが、土を掘り返しながら出てきたカブトムシの幼虫を大事そうに持ち帰っていました。当然、食料にするのだとか。日本でも、特に内陸の長野県等ではスーパーでイナゴの佃煮等を普通に売っていますね。

 まあ、そうしてみると、昆虫食も「案ずるより生むが易し」なのかもしれません。しかし、「食用」にするより、昆虫は「鑑賞」するのが一番楽しい。昆虫の形態・色彩・模様の多様さは見飽きることがありません。珍奇なニジダイコクやツノゼミ等と拘らなくても、また、わざわざカリマンタン島やコスタリカまで出かけて行かなくても、身の回りに棲息しているアオスジアゲハの羽根の模様と色合いのクールさ、ナナホシテントウのフォルムと斑点の配置の妙、ノコギリクワガタの上顎のカッコ良さ、といったものに触れると、ごく普通の昆虫の魅力というものを改めて感じ、それだけで嬉しくなります。