このページをシェアする

第119回

第119回

 ついに今年最後の「ひとりごと」です。とはいえ、クリスマスのネタも既に去年書いたし、何を書こうかと考えていたら、格好のネタがありました。年末の恒例行事です。

 かつて、私にとって年末の恒例イベントといえば、全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」の決勝戦でした。ハンセン・ブロディ組の雄叫びや、J鶴田の「オーッ」、天龍の精魂尽き果てたような表情、それに何より忘れてはならないレフェリー・ジョー樋口の試合終盤での「レスラーの乱闘に巻き込まれての失神(しかし決着がつく頃にきちんと起き上がってカウントを取る、というのは名人芸と表現せざるを得ない)」等を堪能した日本武道館からの帰り途、寒空を見上げて「ああ、今年も暮れていくなあ」としみじみ感じたものでした。

 年末の恒例行事と言えば、視聴率が落ちたとはいえ、NHKの紅白歌合戦だと思いますが、実は、私は大晦日にこの番組を見た記憶が殆どありません。昭和歌謡が大好きな割に、最後に覚えている紅白は、ジャイアンツの長嶋三塁手が紅組応援の祝電を打ってきて、それに奥村チヨとか佐良直美が「まあ!」と言って喜ぶ、というような場面だけです(50年近く前では?)。中学生時代、小柳ルミ子姐さんに狂っていたのに、思春期というものは、そういうものを親と一緒に観るのがとても恥ずかしかったに違いないのですね。

 ここ数年、格闘技系のイベントもイマイチだし、歌番組を観るでもない、という中で何となく観てしまうのが、漫才の「M-1グランプリ」ですね。先週末も次男と一緒に結局、決勝進出10組を全て観てしまいました。前半の数組は全く面白いと思えず、「あれ、俺はもうこの世界について行けないのかな?」と思っていたのですが、まあ後半数組は面白かったですね。個人的には、優勝した「錦鯉」よりも、最終3組に残れなかった「ロングコートダディ」の方が自分の好みにマッチしていたような気がします。過去にも、「新しいスタイルの漫才」をこの番組を通じて知ったことが多いのですが、今年も最後で失速した「オズワルド」は伝統の中に新しさがあり、やはりこの番組はチェックしなければ、と思わせるものです(ついでに言えば、審査員の中でも中川家の礼二が一番シビアで私の感性にぴったり来る批評をするなあ、とそこも気に入っています)。

 お笑いついでにもう一つ。こちらは落語ですが「笑点」を林家三平(というより、一平ですね)が離れる、というニュースもありました。まあ、あまりに面白くないのでTV局側から降ろされたんだと思いますが、本人が着物着て高座に座って「再修行してきます」と、大真面目に(涙ながらに?)語っても、クソ面白くもなんともないんだな。ウチの次男も「こいつ落語家のくせに5分も喋って一回もボケないよ!」と酷評していました。意識の混濁する臨終間際に医者から「しっかりして下さい。お名前は?」と聞かれて「加山雄三です」とボケたと伝わる偉大な父を見習って欲しいのですが、あの先代三平を知っている我々にとっては、ああ、面白さというのは遺伝しないのだな、という当たり前の真実に気づかされた出来事でした。それでは皆様、おあとが宜しいようで。良いお年をお迎え下さい。