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第111回

第111回

 先週から急に寒くなりました。とは言え、10月後半ですから、正しく秋が来たと思うべきなのでしょう。秋と言えば「食欲の秋」。しかし(自分では)節制しているつもりが、糖尿病検診でHbA1cの数値が上がっていたので、更に節制しなければなりません。

 となると、「芸術の秋」か。そういえば先週、ワルシャワで開催されていたショパン・コンクールで日本人の入賞者が二人も出たと言って、妻がネット動画配信を毎日観ていました。私は一介の素人ですので、ショパン・コンクールに出るようなピアニストの技術や音楽性を論評できるような立場にありませんが、一つ気になったのは「演奏する時の顔」の大事さ、であります。

 人前稼業における「顔」の大事さについては、これまた私ごときが論評するものではありませんが、多くの識者が認めるところだと思います。例えば、日本のプロレス界で「最強」のレスラーは故・ジャンボ鶴田であろうということに異論は少ないと思います。J鶴田と「超獣」ブルーザー・ブロディのシングルマッチの映像(ネット上にありますよ)なんか観ると、G馬場もA猪木も明らかに持て余し気味だったブロディを相手に互角の迫力! とは言え、鶴田も残念ながら顔だけは才能がなかった、というべきか、怖さが伝わらないのが玉に傷、というか。猪木が相手レスラーのアゴにナックルパート(反則ですけどね)をヒットさせる時の表情(狂っている!)とか見て勉強して欲しかった・・・。

 脱線しましたが、ショパコンで2位になった反田恭平氏も、チャーリー浜的なルックスのコミカルさを払拭するため(?)にチョンマゲを結い、「いい音を鳴らすために体重を増やした」等というなかなかに格闘技センス溢れるアプローチで臨んでいた点は高く評価できる訳ですが、演奏時の「顔」については、やはりもう一工夫必要だな、と。音楽に感極まって、梅干しを口にしたような表情はいいとしても、もっと「ドヤ顔」「えへへ顔」が自然にふりまけると尚良いと思うんですね。対照的に、4位の小林愛実さんには、「もっと楽しそうに弾いてよ!」と言いたい。勿論、ショパンコンクールに出るまでには血の滲むような鍛錬を繰り返してこられた(ショパンコンクール養成ギプスとかあるのか?)のだと思いますが、やっぱ音楽は「人を楽しませる」ものだから、「自分も楽しくやって~頂戴!(ここ、財津一郎調で)」、という感じがするんですなあ。

 まあ、素人が御託を並べても失礼の極みですから、この辺にすることにして。面白いのは、角野隼斗氏という YouTuber も参加し、第3次予選まで進出していたことでしょうかね。動画を見ていると指が凄く長いんですね。多分、スパンは『鉄の爪』フリッツ・フォン・エリックくらいあるな、と。おそらく、ショパンの曲を弾くのに物理的に凄く有利なんでしょう。尤も、この兄ちゃん、東大の工学部を出ている割には英語のインタビューはあまり達者とは言えなかったな。でもこういうストリートファイター系がひょっこり世界最高峰の舞台に出てくるっていうのは、世の中的にも大変面白いんじゃないでしょうか。誰が「正統派」で誰が「道場荒らし」なのかが分からない中で、衝突から新しい表現が生まれてくるような気がします。