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第110回

第110回

 先週末は、思うところあって山川出版社の『詳説 世界史』というのを読んでいました。殆どの方が高校生時代に読まれた(読まされた)と思われる、あの青い教科書です。

 40ウン年前に使っていたものと(記憶の中で)比べると、色刷り頁が増え、圧倒的にカラフルになっています。が、中身は殆ど記憶に残っていない。何故なんだろう、と考えます。単位はきちんと取った筈なんだが・・・。世界史の先生の授業も覚えているのはこれだけです。「ナポリは、ローマ時代はネアポリスと呼ばれた。ネアポリスネアーポリニャーポリナポリ。ほら分かるやろ」。実にエエ加減やな、あのオッサン。

 真面目に1ページ目から読もうとしたのですが、全然頭に入ってこない。考えてみると、普通我々が本を読むときは、何となく本の目次というものが既にあらかたアタマの中にある整理学とほぼ一致しているから読んで理解できるのだろうと気づきます。要は、自分のアタマの中に一定の「座標系」みたいなものがなければ、読んでもワケ分からないということではないのかと・・・。

 で、途中で諦めました。ついでに考えました。同じ歴史でも、臙脂色の日本史の教科書だとここまでワケ分かんなくはない。まあ、大河ドラマとか観光地巡りとかも含め、色々な形で日本の歴史の流れの「骨格」みたいなものが既にアタマに入っているからでしょうな。しかしながらこの山川の教科書、巻頭に「世界史への扉」として、「気候変動と私たち人類の生活」「漂流民のみた世界」「砂糖からみた世界の歴史」などという読み物が掲載されており、これはなかなか面白い。アタマにもすんなり入ってくる。

 こういう cross-cutting なテーマを幾つか設定してそれを掘り下げていくのが、むしろ歴史を理解するのには役立つのではないか(特に世界史の場合)と考えました。時系列に沿ってやたら細かく「西トルキスタンでは、イスラーム化以前にはソグド人を中心におもにゾロアスター教が信仰されていた。これに対して東トルキスタンでは、ウイグル人を中心にマニ教や仏教の信仰が盛んであり、彼らはソグド商人にかわって13世紀まで内陸アジアの国際交易でも活躍した。(p156抜粋)」と言われても、さっぱりです。

 で、次の10テーマはいかがでしょう。これも多少は考えました。
(設問1)人類は、なぜ「戦争」を繰り返してきたのか?
(設問2)人類は、「宗教」とどう関わってきたのか?
(設問3)人類は、「農業」をどう発展させ、食料を得てきたのか?
(設問4)人類は、「疫病」をどう克服してきたのか?
(設問5)人類は、「エネルギー」や「金属」をどう得て、どう利用してきたのか?
(設問6)人類は、「世界の広がり(地図)」をどう認識してきたのか?
(設問7)人類は、どうやって「国家」を、そして「民主主義」を発明したのか?
(設問8)人類は、どうやって「産業」を起こし、「貿易(交易)」を行ってきたのか?
(設問9)人類にとって、「通信技術」や「交通手段」の発達は何をもたらしたか?
(設問10)人類の歴史の中で、「男女」の関係や役割はどう変化してきたか?