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第109回

第109回

 10月中旬だというのに昼間は30℃近い気温の日々が続きましたね。101日が「衣替え」だというのが何だか遠い昔の話のようです。ところで、今回は今週の当事務所のイベントについてご紹介しましょう。

 当事務所は、日本から開発途上国・新興国への投資促進と技術移転促進を主なミッションとしていますが、技術移転の中核をなすのがSTePP(サステナブル技術普及プラットフォーム:Sustainable Technology Promotion Platform)と呼ばれるオンライン・データベースです。

 何度かこの場でもご紹介していますが、開発途上国・新興国のニーズに合致すると考えられる日本の民間企業(中小・中堅企業が相当部分を占めます)の技術・製品を当事務所で審査し、HP上で情報発信し、潜在的ユーザとの間でのマッチングを図る仕組みです。とは言え、国連機関のHPに掲載されたくらいで世界から商談が舞い込む訳ではありません。当方としても、色々な工夫をしてこうした技術のプロモートを行っている訳ですが、そうした活動の中でも多くのユーザの注目を集めるために実施しているのが、今日(13日)から3日間に亘ってオンラインで開催している「サステナブル技術展示会2021」です。

 STePPの登録技術120件の中から希望を募り、今回は25社が出展します。エネルギー分野では、マイクロ水力、セラミックスによる遮熱コーティング、再生可能エネルギーのための蓄電システム。環境分野は、環境配慮型の焼却炉、ガラスリサイクル、水の無い所で使えるトイレ、周辺環境に配慮した杭打ち技術、排水処理システム、光触媒による壁コーティング、飲料水用水質浄化装置、紫外線殺菌ランプ、海水淡水化、自転車での水質浄化装置、プラスチックを油に変換する加水分解装置、二重タンクシステム。アグリビジネス分野では、土壌改良剤、雨季にも農道確保可能となる簡易敷設マット、QRコードによる食品トレーサビリティ・システム、節水可能となるガラス利用多孔質マテリアル。保健衛生分野では、消毒剤向け電解水製造装置、抗菌・抗ウィルス性コーティング、空気中の水分抽出飲料水製造装置、次亜塩素酸水製造装置、飲料水用浄化システム、といったものが参加しています。(詳しくは、https://www.unido.or.jp/coming/11254をご覧ください。登録もこちらまで。)

 御覧頂くとお分かりいただけると思いますが、開発途上国のニーズに「合致」する技術というのは決してハイテク主体ではありません。かと言って「日本では普通になった」数十年前の技術ばかりという訳でもありません。一定のオリジナリティを持ち、開発途上国のニーズに合致し、かつ、もしかしたら日本でのような国では必要ないかも知れないが、ある条件を満たす国や地域では爆発的な普及が見込めるかも知れないものです。登録審査部隊は、各企業からの書類を入念にチェックし、特許の明細書も読み込みます。専門家の知見をお借りする場合も多くありますが、担当者が現地に伺い、工場・研究所・ユーザのところまでリアルに訪問します。これをやると時間と手間は無茶苦茶にかかるのですが、所長(私)の信念である「現場を見れば、真剣かどうかが一発で分かる」を体現した、まあ効率が良いとは言えないものの、信頼性はかなりあるものと自負するプロセスがその背景にあるものです。今回は、開発途上国・新興国の未だ見ぬ潜在ユーザを掘り起こすのが主目的ですが、ご関心のある方は半分冷やかしでも構いませんので、是非ご参加下さい。