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第107回

第107回

 秋の到来とともに、当事務所でも色々なイベントが目白押しとなっています。今回は、来週(107日(木))の午後に開催される、UNIDO-ICEF共催イベント『世界のカーボンニュートラルを目指して~開発途上国・新興国との連携』についてご紹介します。

 昨年秋の通常国会の所信表明演説の中で菅総理が表明した「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」という宣言により「カーボンニュートラル」という単語がにわかに人々の口に上るようになりました。

 現在、日本国内では、再生可能エネルギーの拡大はどこまで可能か、原発の再稼働ないしは新増設についてはどう考えるか、一方で、再生可能エネルギーである太陽光や風力は出力が安定しないから送配電グリッドの大容量化や蓄電池が必要だし、バックアップ電源として天然ガス火力等が必要になるだろう、自動車の電動化はどう進めるのか、いや、進めると雇用や経済はどうなるんだ、果てはこれまで世界の「優等生」だった省エネは今後どこまで進められるのか、等の議論が盛んです。

 が、一点申し上げたいのです。「先進国だけが脱炭素を実現しても意味ないんですよ。開発途上国/新興国をどうするんですか?」ということです。現在、パリ協定のいわゆる附属書I国(主に先進国)からの温暖化効果ガスが世界の40%。しかし60%はそれ以外の国から出ています。まあ、その半分(約30%)は中国なんですが。

 現在の排出量が仮に小さくとも、開発途上国/新興国の多くは経済成長率も人口増加率も先進国より高いので、これは深刻な課題です。加えて、世界にはまだ8億人近くの「電力へのアクセスを有さない人たち」が居ます。World Bank ”Access to Electricity” というデータによれば、2019年時点で電気へのアクセスを有する人が国の総人口の50%を下回っている国は世界に29ヵ国ありますが、ハイチと北朝鮮を除けば全てがサブサハラ諸国です。こうした国々は安価なエネルギーを必要としていますので、再生可能エネルギーの拡大は容易ではありません。

 こうした中で、我々は日本政府が主催し、既に7年間国際的な議論を主導してきたICEFInnovation for Cool Earth Forum)と共催で、標記のイベントを開催することとしました。基調講演に、沖国連大学副学長、パネルディスカッションには、南アフリカ共和国の元環境大臣バリー・ムーサ氏、中国からは元国家発展改革委員会の現・中国=米国グリーンファンド代表のシュウ・リン氏、ドイツからはBASF出身のドイツ産業連盟理事のウォルフガング・ニーダーマルク氏、モロッコからは持続可能エネルギー庁のヒッシャム・ブーゼクリ氏、国際機関からはCTCNClimate Technology Centre & Network)のクララ・ランデイロ氏、そして日本からは2019年ノーベル化学賞受賞者の吉野彰・産総研ゼロエミッション国際共同研究センター長、という超重量級・超豪華版です。不肖、小生がモデレーターを務めます。ご参加希望(オンライン)の方は、当方HPhttps://www.unido.or.jp/coming/11359/)をご参照下さい。