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第103回

第103回

  昨日は、「防災の日」でした。皆さんの中にも、学校や職場で防災訓練に参加された方もおられると思います。政府の防災訓練は「東京23区を震源とする最大震度7の地震発生」という想定だったそうですが、もしかしたら、在宅でバーチャルな形での訓練を行われた方もおられるかもしれません。

 私は、役人時代に都市ガスの保安を担当していたことがあります。何か起きると(震度5強以上の地震等)、ただちに登庁して被害の把握と対応策の実行に着手せねばなりません。記者会見もすぐにやれ、と指示が来ます。災害が起きるのは不思議と夜中と休日です。その時代には、「地下街だと携帯の電波が入りにくいから、なるべく地上に居よう」「役所と自宅を結ぶ線上のどこかに常に居ないとダメだな」「風呂に入ってる時に災害の連絡があると初動が遅れるから入浴は最長5分だな」「寝るときは、防災携帯(重い・・・)を腹に巻き付けて寝るしかないな」といった具合で、毎日落ち着きませんでした。

 「宿直」という制度もそういう緊急時対応のために作られたものだと思います。突然脱線しますが、先日、俳優の二瓶正也(にへい・まさなり)さんが亡くなられたというニュースがありました。若い人は知らないと思いますが、(初代)ウルトラマンに科学特捜隊の「イデ隊員」として出演されていたので、アラ還の我々には極めて親しい感覚があります。ウルトラマンの第2話で、宿直(?)中のイデ隊員が同室のアラシ隊員(石井伊吉=後の毒蝮三太夫氏)の鼾で眠れない、というどうでもいいエピソードがあり、何となく「保安(緊急出動)」というと宿直、と反射的に思い出してしまうのであります(かなり強引)。ガキの頃、ウルトラマンごっこやる時には必ずイデ隊員役だったしな・・・。

 思い出してみると、イデ隊員はコミカルな演技を身上としつつ、科学特捜隊内では「新兵器の開発」を担当するエンジニアです。中でも私が一番びっくりしたのは「パン・スペース・インタープリター(汎宇宙語翻訳機)」です。そんなものができるということは、まず全ての宇宙語を理解しているということであり、となれば、全ての星の文明を相当程度理解できるということだから、地球人の文明が一番進んでいるということになってしまって、ちょっと変では?

 イデ隊員の抱える最大のジレンマは「俺たち(科学特捜隊)が居なくても、怪獣はウルトラマンがやっつけてくれるのでは?」ということだったと思いますが、ジャミラ(水の無い惑星に不時着した宇宙船の飛行士が怪獣化して復讐のため地球を襲う、というストーリー。余談ですが、頭を出さずにセーターを被ってジャミラの真似をする、というのが当時の小学生のお約束)が出て来た『故郷は地球』の放映の際には、「ジャミラは俺たちの先輩じゃないか」と言って、科学特捜隊パリ本部の理不尽な命令(正体を明かすことなく、一匹の怪獣として葬り去れ、だったかな?)に煩悶します。観る方もとても複雑な気分でした。

 昔は、たかだか30分枠の子供向けの番組でも、社会的に重い課題を扱うことがありました。ウルトラシリーズで有名なのは、核兵器開発競争の無益さを訴えた「ウルトラセブン」の『超兵器R1号』(ギエロン星獣が登場)、地球人の間の差別を描いた「帰ってきたウルトラマン」の『怪獣使いと少年』(メイツ星人、ムルチが登場)等ですね。今はどうなのだろう? 結構こういうのが大人になってからの精神構造に影響するのでは?