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第98回

第98回

 毎日猛暑が続きますが、今回は夏の食べ物の話題にしましょう。728日は「土用の丑の日」です。まあ、夏バテしないようにスタミナをつけるため、鰻を食べようということで世の鰻屋さんは、ことのほかこの時期に繁盛するわけです。

 我が家でも数日前に妻がスーパーで鰻の蒲焼きを奮発したところ、二匹の猿(愚息)が食い荒らしてしまい、私には回ってきませんでした。しかしながら、よく考えると、鰻自体は勿論美味いとは思うものの、私の場合、鰻重は「蒲焼のタレ」の味で飯をかき込んでいるだけではないかという印象があり、まあ無理して鰻のご本尊を食べんでもいいかな、という枯淡の境地に最近到達しました(単に貧乏くさいだけか・・・)。そう言えば学生時代には、友人と鰻屋に入ってもひたすらに鰻の兜焼と肝串を注文して、それでも十分鰻を食べた気分になる(いや、実際十分食べているのですが)のが経済的な「土用の丑の日」の過ごし方ではなかったか、と思い出します。

 この鰻、養殖もなされているのですが、天然の鰻がどこで産卵しているか、が長年謎とされていたんですね。2009年に、東大海洋研究所や水産総合研究センターが、西マリアナ海嶺南端部で天然鰻の卵を発見したそうですが、この時は大きな話題になりましたね。(https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2011/files/unagi20110202.pdf)余談ですが、身近な生物で「幼虫が見つからない」というのは他にもあるようです。夏の風物詩である小学生の昆虫採集には、人気の高いカブトムシやクワガタに並んで、カナブンがよく紛れ込みます。が、このカナブンも、幼虫がクズの根本の乾燥した土の上にいることが多い、というのは比較的最近判明したようです。

 もう一つの夏の風物詩がスイカですね。ここで良く分からないのが、「スイカに塩を振ると甘さが際立つ」という、関東ではおそらく一般的に見られる食べ方です。私は何度も書いているように長崎市出身ですが、こういう風習は長崎には無かった気がするなあ。ネットを見ると「味の対比効果で甘味が際立つ」とか、「人間の舌は苦みや塩味、酸味等を早く感じる」とか書いてあります。では私の好きなブドウや桃やキウイに塩をかけるとより甘くなるか? ううむ、良く分からんなあ。私はオフィスの近くのカフェでも「スイカジュース、デカいの、塩なしで」と注文してしまいますが・・・。

 あとは、素麺ですかね。素麺というのは、作るのも食べるのも実に効率が良い。飯を炊くには1時間くらい必要ですが、素麺ならさっと数分茹でればいいし、ツルツル食べられるのがいい。薬味のネギや生姜が涼しさを感じさせますね。日本人に生まれて良かった、と思う瞬間です。更には、皆さん「冷や汁」ってご存じですか? 宮崎県人の夏のソウルフードらしいのですが、私は、少年時代に五島列島出身の父から作り方を習いました。かつおだしに味噌を溶き、豆腐・きゅうり・大葉・ゴマを入れ、氷を入れて、それにご飯をぶち込み、いわゆる「猫まんま」状態にして食べるのですが、実に旨い。B級グルメの一種でしょうが、簡単なのでご存じない方も一度お試しになっては如何でしょうか?