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第96回

第96回

 早いものでもう7月中旬です。今週から、オンラインでのガーナのデレゲート・プログラムが始まります。13日(火)は、GIPCGhana Investment Promotion Centre)、UNDP及びUNIDO東京事務所の共催で、「ガーナ投資セミナー:ビジネスチャンスとSDG投資機会」を開催しました。

 皆さんはガーナと聞いてどういう印象をお持ちになりますか? 私は恥ずかしながらまだ訪問したことがないので、耳学問・目学問(?)の域を出ないのですが、皆さんご存じだと思われるのが製菓会社L社のガーナチョコレートに代表される、カカオ豆の生産・輸出国だということですね。1964年発売ということですので、半世紀を超えるヒット商品となっている訳です。「ガーナ」という国名がかなりの浸透度を持っていることも、これと関係があるのかも知れません。

 もう一つ、日本との関係で欠かせないのが、同国における「野口記念医学研究所」という感染症関連の研究機関の存在です。ご存じのとおり、野口英世博士は1000円札にもご尊顔が載っている偉人ですが、晩年、ガーナでの黄熱病の研究中に志半ばで斃れたこの分野のパイオニアです。日本の協力で野口研は、COVID-19に対するPCR検査の実施や、近隣諸国を含む感染症関係の研究及び人材育成に多大な貢献を行っているそうです。

 また、ガーナはアルミニウムの生産・輸出国でもあります。アルミニウムの原料はボーキサイトですが、ガーナはその生産量の面では、豪州、中国、ギニア、ブラジルといった大所と比較すれば目立ちません。が、アルミニウム製錬産業は原料立地ではなく電力立地です。ガーナは、かつてヴォルタ川をせき止めてアコソンボダムという巨大ダムを作り、その電力でアルミ製錬産業を立ち上げました。とは言え、厳しい国際競争の下で、乾季には発電量が減少するなどの問題があり、ガーナ経済を牽引しているとまでは言えないようです。

 やはりこうした国では「どうやって一次産品に付加価値を付けるか」が産業振興の大きな課題となります。今回のオンライン・セミナーでも、まさにこの点が様々な形で示されました。中でも、ICTを用いて農産物のバリューチェーンをデジタル化するガーナ企業のEsoko社や 日本のスタートアップであるDegas社の取組みが印象に残りました。ペーパーレス、キャッシュレスでスマホを使って生産物の流通経路をトラックしたり、最適の取引相手を見つけたり、ということが可能になり、その恩恵を受けている中小・零細農家も既に沢山出てきているようです。(本セミナーの様子やプレゼン資料は後日HPで公開予定。)

 まさに、「一次産業労働集約型の製造業資本集約型の製造業知識集約型の製造業・サービス業」といった古典的なパスとは異なる経済発展モデルを見ることができます。あるアンケート調査によれば、61%の投資家がアフリカではアグリビジネスへの投資が最も利益が上がると考えているとか。ガーナだけを見ても、国土の56%が農耕に供されているが、耕作可能な土地の僅か3%強しか灌漑されておらず、また、その48.5%では作物の栽培がなされていない、ということです。今後は、ミクロな気候・天候・土壌等や、地球温暖化の影響に対する最適作物の変化等、とにかく様々な「データ」を取得し、利用可能とすることが必要だと思われます。その点は、我々としてもまだまだ勉強すべき点が多いと考えているところです。