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第81回

第81回

  いよいよ新年度です。とは言え、我が職場には特に変化があるわけではないのですが。昨年実施できなかった大学の入学式を1年遅れで実施したというところもあり、それなりに春を実感します。今日、入社式を行われている企業も多いと思います。

  「今時の若い者は・・・」と言うセリフは老害の最たるものと言われますし、まあ、それほど若者(Freshmen/Freshwomen)に接していないので、特に言うべき文句もないのですが、職場に1年目の若者が配属されてくるのは、組織としては大変有難いものだと思う一方、「異文化の衝突」という意味で、大変楽しみでもあるわけですね。

  霞が関に居た頃、1年生が入ってくると、私は率先してイジるという悪い上司でした。「あ~〇〇君、キミは1年生だから明日から朝8:30にジャージ持って出勤な。おお、△△君(それまでの最若手)、キミ、ウチの課の体操を教えてやってくれ・・・。何、恥ずかしい?(そんな体操存在しないので知らなくて当然ですが)しょうがないな、〇〇君、良く見ておきなさい、私がやって見せよう。では、□□課体操第一、大きく腕を振り上げてツルハシを振る運動・・・鉱床採掘~~イチ、ニ、イチ、ニ、・・・」。周りの先輩方もニヤニヤし始めるので、大体このあたりで〇〇君も気づきます。こんな所、来るんじゃなかった・・・、そう感じたであろう彼も、今や堂々たる仕事師の一人だと信じます。

  霞が関の某省では、入省式を終えた1年生をこっそり会議室に呼び出し、「給与の1割で国債の買い支えをすることを約束させる」とか、手の込んだ悪戯をやっていたという記事を読んだこともあります。実は、企業でも歓迎会と称する、同様の新入生イジリが行われていたのではないでしょうか?

  まあ、今では、こういう蛮行・愚行を嬉々としてやっているのはダメな組織という一言で片づけられるのでしょうが、昭和のオヤジの生き残りとして一言言わせていただければ、これはいわゆる「通過儀礼」として、当時はそれなりの意味を持つものだったのです。大学生になった時、サークルの新入生歓迎コンパでしこたま飲まされて、翌朝屋外で目が醒めた(注:未成年の飲酒は法律違反です。また飲ませてもイケません)、という経験を持つ昭和人は多く生き残っていると思われます。私が学生時代所属していたジャズ研究会では、毎年の夏合宿で1年生(C年:ツェーネンと発音する)を生贄に、今なら目を覆うような謎の儀式を行っていましたが(まあ男しかいなかったので・・・)、今なら訴訟沙汰ですな。

  流石の昭和人も、平成の大横綱・貴乃花の初優勝(当時はまだ貴花田)の際に、「未成年だからジュースで乾杯」という注釈アナウンスがTV中継で流れてから気が付いた訳ですね。「えっ、相撲取りはいいんじゃないの?」と思っていたのは私だけでは無い筈です。

  こういうヤバンギャルドな風習が廃れてきたのは当然と言えば当然ですし、私も「昔は良かった」等と言うつもりはありません。また、こういう行為は、「構成員のほぼ全てが男」という偏った前提の集団でしか存続し得ないもののように思えます。が、ならばジェンダー平等の観点からも問題のない、現代に相応しい「通過儀礼」が必要では、と下らないことを考えてしまうのが昭和オヤジのダメな所です。皆さんの組織はどうしておられますか?