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第72回

第72回

  早いもので1月末です。今週は月曜から金曜まで1週間まるまる夜はUNIDO内部のオンライン会合です。例年だとウィーンで木・金・土曜午前(昼食後解散)という段取りですが、COVID-19対応で北米・南米からもアジアからも参加できる時間帯が日本時間の夕刻になるわけです。皆、話が長く、疲れる・・・

  ところで、これだけオンラインでの会合が普通になるとダブルブッキング等も必然的に発生します。まあ、こちらもそういう前提で、何時から何時はこちらの会合、その次はこちらに顔を出して・・・とやることになるのですが、安易に引き受けていると酷い目に遭います。27日の夜は、モロッコの産業団体主催のインダストリー4.0関係の会合にパネリストとして参加したのですが、出てみたら殆どの参加者がフランス語で話すという鬼のような会合でした。コンフェレンスのサイトが全部仏語で一抹の不安はあり、勿論、引き受ける際にも「僕は英語で話すけどいいよね?」「大丈夫」というような会話があったので、モデレーターは私には英語で質問を投げかけてくれたのですが、前後のパネリストが皆仏語だと必死に聞いていても、正確には内容は分からない。キーワードが混じるので、今、何が話題になっているかが何とか分かるという実に情けない有様です。économie numériqueというのが、どうもdigital economy のことだと気づくのにもしばし時間がかかりました。

 ところで、仏語のプレゼンを体を凝固させながら聴いていると、次に気づきました。まず分かるのが名詞、次が形容詞、最後が動詞。この順に難しくなってくる。まあフランス語の語彙や文法を考えれば当たり前のような気もします。そう言えば、30年近く前、米国に留学した時のことを思い出しました。

 米国で学生生活を始めて、最初に感じたのが「教授が話す講義での英語は分かるのに、学生同士の会話が分からない」「真面目な話や仕事の話はソコソコできるのに、雑談ができない」ということでした。大体4ヵ月くらいかかって、ようやく少し慣れると、次は「TVでやっているニュースの英語は結構分かるようになったが、映画の英会話が分からない」という始末。年末、NYに出かけてみると、「タクシーの運転手に英語が通じないし、先方の言うことも分からない」という悲劇(後から聞くと、まあネイティブの人は居ないらしい)です。「ああ、俺の英語はコロラド弁か・・・俺の喋りは、都会では『運転手さん、グリニッジビレッジゆうとこさ行ってけろ、んだんだ』とか聴こえてるんだろうなあ」と悲嘆に呉れていました。

 とはいえ、2年間普通に暮らしてると、まあコロラド弁も板に付いてくるんですね。その時感じたのが、日本人(アジア人)の英語は、語彙がかなり偏っているということ。例えば「説明する」に対応する単語は、日本人だと95%以上が”explain”を使います。が、アメリカ人学生と話すと、“illustrate” や “describe” も多いように感じました。でも、多分、一番使われる言葉は “show” ですね。I can show you how that mechanism works. みたいに。また、「重要な」も日本人だと反射的に“important”を使いますが、アメリカ人は寧ろ“essential”や“critical”が多いと感じました。いずれにせよ言葉には苦労します。