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STePPアフリカ産業職業訓練プログラム:ウガンダからの研修生が現地で技術普及へ

STePPアフリカ産業職業訓練プログラム:ウガンダからの研修生が現地で技術普及へ

UNIDO東京事務所は、日本政府の協力を得て「日本からの技術移転を通じたアフリカの産業職業訓練プログラム」を実施しています。このプロジェクトは、アフリカの現地エンジニアと技術者に日本企業の技術に関する知識とスキルを身につけてもらうことで持続可能な産業開発に貢献することを目的としています。プロジェクトの詳細はこちらのページからご覧ください。

STePPアフリカ産業職業訓練プログラムの現地研修がウガンダで行われ、6月14日に閉講式が開催されました。

2023年11 月の第一フェーズでは、ウガンダの「ナカワ職業訓練校」にて自動車の整備や修理などを教えている指導員2名が研修生として来日し、石川県金沢市の会宝産業株式会社の指導のもと、工場や研修施設で自動車リサイクルの知識や解体の技術(環境配慮型使用済自動車リサイクル=End of Life Vehicle Recycling Technology)を 学びました。

日本での研修を得てウガンダに帰国後、職業訓練プログラムの第二フェーズにて、彼らが現地で指導員となって、現地における産業人材及び訓練生100人を対象に、技術養成のための研修をナカワ職業訓練校にて行いました。

第2フェーズ: 職業訓練プログラム

日本にてPhase I研修を受けたセバナキタ・ウィルソン・カーヤ氏とアレトール・ゼルバベル氏の指導の元、訓練は2つのワークショップで構成され、それぞれ2週間ずつ行われました。訓練生は25名の小さなグループに分かれ、それぞれが実際に車を解体しながら、環境配慮型使用済自動車リサイクルについて学びました。

【研修の目標】

  • ELV(使用済み)車両の廃棄物処理と管理に対処するソリューションの提供
  • 日本の技術とノウハウを活用したスキル開発、技術移転、費用対効果の高い方法を通じて、使用済み車両の廃棄物処理と管理の強化
  • 不適切な使用済み車両の部品と製品の廃棄が環境に及ぼす危険性に対する認識の向上

【研修の成果】

  • リサイクルと再利用の両方で使用済み車両の部品の区別
  • エンジンオイル、トランスミッションオイル、ステアリングオイル、冷却剤、ブレーキフルード、燃料など、使用済み車両から様々な液体をすべて排出
  • ガスの回収
  • 様々な車両液体を排出して保管
  • 排出した液体をリサイクル
  • ELV 部品を分解して分類
  • 分類したELV 部品の材質とサイズの評価

※上記はすべて、一般のさまざまな所有者から調達した9 台の ELV ユニットで実施されました。

【スケジュール】

1日目
 
 
・工具と安全性、車両の排水
・エアバッグ展開 / 内装取り外し / プラスチック分別

2日目
 
・外装撤去、車両解体
 
3日目
 
・エンジン分解、トランスミッション分解、エンジンルーム内の残部品の撤去
 
4-5日目
 
・ELVの解体実務

6-10日目
 
・1-5 日目までの作業を別の ELV で実施

 

フェーズ2 職業訓練プログラム閉講式

 

現地研修の終了後、閉講式が開催され、訓練生100人に修了証が渡されました。

閉講式には、研修に参加した訓練生100人に加え、ナカワ職業訓練校関係者、日本政府関係者、ウガンダ共和国土木事業・運輸省がゲストとして参加しました。ナカワ職業訓練校のムワンガ校長はスピーチで、ウガンダにおける車両廃棄がもたらす問題にふれ、環境配慮型使用済自動車リサイクルの重要性が広まり、雇用につながる産業として支援されていくこと、そして車両廃棄に対する持続可能なガイドラインが構築や車両廃棄に関する包括的な政策の確立を願っていると述べました。

参加者&ゲスト一覧

ナカワ職業訓練校 フレッド・ムワンガ校長 
訓練生100
現地指導員 アレトール・ゼルバベル氏
現地指導員 セバナキタ・ウィルソン・カーヤ氏
在ウガンダ日本国大使館 吉村 朝貴次長 
  林 宏征一等書記官 
JICAウガンダ事務所 山江 海邦氏
ウガンダ共和国の土木事業・運輸省 ウィンフレッド・ナルインダ コミッショナー補佐
UNIDOウガンダ・フィールド・オフィス ブルーノ・オット所長
  アシスタント ジャッキー・アリナイトウェ氏
UNIDO東京事務所 アフリカンアドバイザー タデッセ・セグニ氏
  プログラムアシスタント 細川千奈津氏

参加者からのコメント

訓練プログラムに参加した訓練生のイヴァン・ワタ氏は、「車両には多くの危険な液体が含まれており、それらを安全に保管するための特別な手順があることを学びました。 現状、多くのガレージではこれらの液体が放置されているため、今回のプログラムで得た技術を生かして、今後適切に処理していきたい」と述べました。また今回学んだ知識を通じて、今後使用されなくなった車両が放置されることなく、適切な解体方法の提供によって、ウガンダ全体に利益をもたらすことができると強調しました。