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イベントレポート:包括的かつ持続可能な産業開発(ISID)のためのパートナーシップ:オンラインイベントシリーズ「UNIDO-Japan Cooperation ~新型コロナウイルスの状況下における投資・技術移転~」を開催

イベントレポート:包括的かつ持続可能な産業開発(ISID)のためのパートナーシップ:オンラインイベントシリーズ「UNIDO-Japan Cooperation ~新型コロナウイルスの状況下における投資・技術移転~」を開催

国連工業開発機関(UNIDO)は202172日、在ウィーン国際機関日本政府代表部とともに、オンラインにて「UNIDO-Japan Cooperation ~新型コロナウイルスの状況下における投資・技術移転~」を開催しました。本イベントでは、日本とUNIDOの協力事例や成功例を交じえながら、コロナ禍における活動や成果が紹介されました。

UNIDOの国吉浩・事務次長は開会の挨拶で、新型コロナウイルス感染症対策として2020年に日本政府(外務省)が資金提供したUNIDO東京投資・技術移転促進事務所による「サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)」プロジェクトについて触れ、「UNIDOはこの試みにおいて、日本のパートナーであることを非常に誇りに思います」と述べました。

続いて、外務省の吉田綾・地球規模課題総括課長が「投資と適切な技術移転に支えられた強い産業は、人々の健康と生活を守り、危機から社会がより良く立ち直るために重要な役割を果たします。日本はUNIDOとのパートナーシップを非常に高く評価しており、パンデミックからより良く立ち直り、SDGs達成に向けた取り組みを加速するため、今後もUNIDOと協力していきたい」と期待を込めました。

また、経済産業省の太田三音子・技術人材協力課長は、「世界に未曾有の危機をもたらしたパンデミックは、包括的かつ持続可能な産業開発(ISID)の重要性を浮き彫りにしました」と述べています。「これはまさに、途上国の産業開発をリードするUNIDOや関連機関が果たす役割の重要性が高まっているということ。今後もUNIDOとの連携を深め、ISIDに貢献していきたい」と述べました。

「投資促進」と「技術移転」のテーマに分けて実施された2つのパネルディスカッションでは、コロナ禍における日本とUNIDOの協力事例や成功例などが紹介されました。民間企業や在日大使館の代表者、UNIDO 東京投資・技術移転促進事務所のアフリカアドバイザーなど、8人のスピーカーがパネルディスカッションに参加しました。

2つのパネルディスカッションからの重要な教訓として、UNIDOのウェイシー・ゴン・デジタル化・技術・イノベーション課長は、主に以下の点を挙げました。

  • コロナ禍での困難な時期においても、UNIDOは様々なツールを用いて日本から途上国・新興国への投資を促進することに成功している。
  • 日本から途上国・新興国への技術移転を支援する新型コロナウイルス感染症対応プロジェクトは、医療従事者の感染リスクを軽減するために大きな成果を上げている。
  • 民間企業との協力は、投資や技術移転を促進し、ISIDに貢献する大きな可能性を秘めている。

本ウェビナーの終了を受け、UNIDOと在ウィーン国際機関日本政府代表部が629日より開催していたオンラインイベントシリーズ「UNIDO-Japan cooperation」が閉幕。閉会式では、国吉・事務次長が「日本政府に対し、UNIDOとその使命である包括的かつ持続可能な産業開発への強力なご支援に改めて感謝申し上げます。日本とUNIDOの協力関係が今後も継続し、さらに重要性を増していくと確信しており、UNIDOは、各国がグローバルな課題を克服し、より良くより明るい未来を共に築くために、日本との協力関係をさらに強化していきます」と締めくくりました。

また、在ウィーン国際機関日本政府代表部の引原毅・特命全権大使は、「この未曾有の世界的危機の時代に包括的かつ持続可能な産業開発を推進し、成果を上げるためには、知恵を結集することが必要です。開発協力の様々な関係者たちが緊密な対話を通じて専門知識や経験を共有することで、その力を高めることができます。 私は、UNIDOもまた、そのパートナーとしての力と招集力をもって、ここで重要な役割を果たすことができると確信しています」と述べました。

UNIDO 国吉浩事務次長

在ウィーン国際機関日本政府代表部 引原毅 特命全権大使

 

概 要

日 時:        2021年7月2日(金)
      ウェビナー: 17:00~18:30(日本時間)/10:00~11:30(中央ヨーロッパ時間)
      UNIDO-Japan Cooperation Week閉会式: 18:30~18:45(日本時間)/11:30~11:45(中央ヨーロッパ時間)
形 式:     オンライン開催
主 催:        国連工業開発機関(UNIDO)
言 語:    日・英・仏同時通訳
参加費:       無料
司 会:    フェルダ・ゲレゲン(UNIDO東京事務所 次長)

*セミナー講演資料は、下記プログラムの企業名からご覧いただけます。

プログラム(予定、敬称略)

17:00  開会挨拶
            ・国吉 浩 (UNIDO 事務次長)

17:05  来賓挨拶
            ・吉田 綾(外務省 地球規模課題総括課長)
            ・太田 三音子(経済産業省 技術・人材協力課長)

17:15  プレゼンテーション
            ・安永 裕幸(UNIDO東京事務所 所長)

17:25  パネルディスカッション1:投資促進(質疑応答含め30分)
            モデレーター:壽 郁恵(UNIDO東京事務所 工業開発官)
           ・フアン・カミロ・ゴメス(駐日コロンビア大使館 商務参事官)
           ・阿部 健太郎(KAORI INTERNATIONAL JAPAN(株)代表取締役)
           ・フルシド・ハイダロフ(駐日ウズベキスタン大使館 参事官(貿易経済担当))
           ・アイサトゥ・ンジャイ(UNIDO東京事務所 在セネガル・アフリカアドバイザー

17:55 パネルディスカッション2:技術移転(STePP技術実証プロジェクト)(質疑応答含め30分)
            モデレーター:福山 由希子(UNIDO東京事務所 アソシエート・エキスパート)
           ・杉浦 恭志(中和機工株式会社海外事業部 部長)
           ・ゴルギ・シス(駐日セネガル大使館特命全権大使)
           ・川村 美緒(TSP太陽株式会社 営業課長)
           ・ジョージ・マカテト( ケニア 産業・貿易・企業開発省  産業・エンジニアリング・建設部長)

18:25  まとめ
           ・ウェイシー・ゴン(UNIDOデジタル化・技術・イノベーション課長)

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18:30    UNIDO-Japan Cooperation Week閉会式

18:45 ・国吉 浩 (UNIDO 事務次長)
    ・引原 毅(在ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使)