このページをシェアする

産業化の成功を推進する要因についてまとめたUNIDOの研究論文が受賞

産業化の成功を推進する要因についてまとめたUNIDOの研究論文が受賞

2020.12.08


2020年11月25日 ウィーン − UNIDOの研究論文「What factors drive successful industrialization? Evidence and implications for developing countries」は、著名な学術雑誌「Structural Change and Economic Dynamics」の30周年記念イベントで、権威ある2019 Best Paper Awardを受賞しました。

雑誌の編集委員会は、ダイナミクス、構造変化、経済、技術面における制度的行動、方法、イノベーションの重要性など、いくつかの基準に基づいて論文を選びました。 エルセビアの出版ディレクターは、「この論文は、構造ダイナミクスの要素を最もよく説明しています」、「産業化、構造変化のダイナミクス、開発軌跡の相関関係について探求しています」と述べました。

UNIDOの論文は、重要な開発課題の一つである、急速な産業化の持続的なプロセスを開始するために、国々、特に遅れている国々ができることは何かという問いに取り組んでいます。過去数十年にわたって強力で持続的な産業化を経験した国々に共通する要因を特定し、初期の経済状況、要素賦存量、また人口統計や地理などの国の特性を含む要因の組み合わせによって産業化が推進されることを明らかにしています。

UNIDOの国吉事務次長は、「比較優位を生かすことができる国々は、持続的な産業化の道を歩む立場にある可能性が高いです」、「後発者の利点として、低所得国は製造業において急速な成長に成功するためのより多くの機会に恵まれています」と述べました。

ただし、後発者の利点は、物的資本および人的資本への投資、信用へのアクセス、不平等の縮小、マクロ経済、政治、社会の安定など、いくつかの政策によって活用および実現される必要があります。これらの要因の組み合わせが特定の国の産業化を特定の期間にどのように推進したかについての詳細は、UNIDOの研究・産業政策提言部門 原口信也チーフが書いた論文の政策的含意で詳しく説明されています。

この論文はUNIDOによる研究に基づいており、学術的知見と開発プラクティスを組み合わせることで、UNIDOの研究の卓越性を表しています。これは、包括的で持続可能な産業開発に関するUNIDOの研究と政策アドバイザリー活動の強み、貢献、有用性を表しています。

日本政府は、開発協力信託基金を通じて本研究プロジェクトを支援し、その結果、UNIDOの論文が発行、受賞に至りました。