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日本、アフリカ・中東への人道支援に740万ドル

日本、アフリカ・中東への人道支援に740万ドル

2016.03.08

ウィーン、2016年3月8日 - 日本政府は、人道危機及び避難民の流入に影響された地域への対策として、740万ドル(約8.9億円)の拠出を決定しました。この拠出金は、アフリカや中東においてUNIDOが実施する7つのプロジェクトに活用されます。

この日本政府の資金供与は、先週金曜日、UNIDOリー・ヨン事務局長と在ウィーン国際機関日本政府代表部北野充特命全権大使との会談に際して、イラク、ヨルダン、スーダンの各政府代表者の同席のもと発表されました。

北野大使は、日本、UNIDO、受益国の3者関係の重要性を強調し、日本の貢献が、特に若年層や女性の利益に繋がることを祈念しました。北野大使はUNIDOのプログラムが持つ「包摂性」を高く評価すると同時に、日本の民間セクターとの連携の可能性に言及しました。日本政府が重視するこれら地域で、UNIDOとのさらなる協働に期待を表明しました。

イラクでは、150万ドル(約1.8億円)の拠出が、イラク中央部と北部において、国内避難民及び帰国者の受入地域対策に役立てられます。当プロジェクトは、紛争中に被害を受けたマイクロビジネスや中・小規模ビジネスの復旧、職業技能訓練を通して、コミュニティインフラの再構築に貢献します。在ウィーンイラク政府代表部アウディ・アル・カイララ大使は、この支援がイラク政府のみならずイラク国民に対しても、テロとの戦いにおいてイラクは決して孤立してはいないという強いメッセージを送ることになると強調しました。

北部エジプトの100万ドル(約1.2億円)のプロジェクトでは、若年層の雇用促進に取り組みます。現地経済の多様化、コミュニティと個人の強靭性(レジリエンス)、そして若年層のエンプロイアビリティ(雇用され得る能力)を高めることで、社会経済の安定に貢献します。社会の急進化や不法移民といった現象の予防にもつながります。また、重要な産業分野やバリューチェーンに関連する民間セクターを活気づけていきます。非正規雇用・失業中の若者や女性に対しては能力開発の一助となり、学生に対しては就職や起業の機会拡大につながります。

モロッコでの79.1万ドル(約9500万円)のプロジェクトでは、モロッコ東部の失業と移民問題の解決に取り組みます。労働市場で求められる産業技術訓練を行うことで雇用創出を促し、生産設備やビジネス関連サービスの提供も行います。また、日本企業をはじめ、産業分野で活動する関係諸機関と現地企業とを結びつける手助けともなります。

ヨルダンでの190万ドル(約2.3億円)のプロジェクトは、シリア難民を受入れている北部や中央バディアのコミュニティに対する雇用機会の創出や食の安全の向上に貢献していきます。この地域での農業のポテンシャルの開発や、女性や若年層に特に重点を置いた雇用や所得の増加による生活改善が期待されます。

レバノンもまたシリア難民の流入によって深刻な影響を被っている国であり、100万ドル(約1.2億円)のプロジェクトは、家具製造産業の、特に零細企業や中小企業の雇用創出に貢献します。この技能開発訓練は失業者、特に若年層のエンプロイアビリティの改善のために提供されます。北部レバノンの家具製造業者の認知度を高め、バイヤーとの関係を作っていくことで、販路を拡大していきます。

ソマリアでの62万ドル(約7500万円)のプロジェクトは、ケニアとの国境地帯で危険な状況に晒されている若年層の生活再建に充てられます。この地域は、内戦、国際的孤立、部族対立による暴力によって、経済の全てのセクターの生産能力が深刻な影響を受けています。このプロジェクトで若年層に対して職業訓練が提供される予定です。

63万ドル(約7600万円)のスーダンでのプロジェクトは、豆乳や大豆粕などの大豆加工製品の現地加工施設の建設による食糧確保に取り組んでいます。加工能力の開発は国内外で新たな加工品市場を拡大し、大豆からの収入を増加させます。在ウィーンスーダン政府代表部モハメド・フセイン・ハッサン・ザルグ大使大豆製品が乳製品に代わる健康的な代替品として国内に広がりつつあることに対して謝意を表しました。